「さらば詰め込み教育」子どもが変わる凄い授業 「人生100年時代」を生き抜く新しい教育3本柱

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しかし本来の目的が曲解され、ゆとり教育は学力低下の要因であると非難を受けるようになり、「特進クラス」などの特訓コースが作られ、より子どもたちをハードに追い立てる詰め込み教育が展開されました。

新しい教育の3つの柱

私自身は1990年代から時代の変化を感じており、3つの柱に添った教育をしていかなければならないと感じていました。

石川一郎(いしかわ いちろう)/カリキュラムアドバイザー、21世紀型教育機構理事。1962年東京生まれ。早稲田大学教育学部社会学科地理歴史専修卒業。暁星国際学園、ロサンゼルスインターナショナルスクールなどで教鞭を執る。前かえつ有明中・高等学校校長。著書に、『2020年の大学入試問題』(講談社現代新書)、『2020年からの教師問題』(KKベストセラーズ/ベスト新書)などがある(撮影:梅谷秀司)

1つめがアクティブ・ラーニングです。詰め込み教育では一方通行型の授業が効率的とされてきました。しかし、その反面生徒たちが「自ら考える」力が失われていると感じました。教員から一方的に知識を授かるのではなく、生徒と教員がやりとりをし、「主体的に考え、課題解決できること」を重視するアクティブ・ラーニング型の学びが必要になると考えたのです。

2つめがグローバル教育です。海外との交流も盛んになり、グローバル化の波が押し寄せていました。そこで実用的な英語教育が必要になると感じました。

3つめがICTの活用です。これから本格的なICT時代が来ると予想していたので、パソコンを効果的に使えるようにしたほうがいいと考えたのです。

この3本柱は、2000年ごろから学校教育に取り入れていったのですが、当時追随する学校は少なかったですね。芽が出るまでには10年くらいかかりました。その間リーマンショックが起こり、日本の企業のあり方にも変化が出てきました。

決定的だったのが東日本大震災です。今までのように、「いけいけどんどん」の生き方が本当に正しかったのか立ち止まって考えるようになり、教育にも変化の兆しが現れました。

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