「中国パンダ基地」空前のブームに沸く現地の様子 身動きできないほどの混雑、どう回るとよい?

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中国ではゼロコロナ政策が解除されたのもあり、今年の春以降はパンダ基地は身動きが取れないほど混雑していて、夏休みに入った7月は拍車がかかっているという。

しかしすでに成都に来てしまったし、行かないわけにはいかない。成都の基地は野生に近い環境でパンダを展示しており、屋外で木登りをしたり活発に動く様子を見られるのが特徴だが、暑さに弱いパンダは気温が上がると冷房の効いた園舎に入り、しかも昼は寝てしまう。実は前回の訪問時は午後に到着したため、園舎で寝ているパンダをガラス越しに見ただけだった。今回は混雑を回避しつつ動き回るパンダを見るために、午前8時に基地に到着した。

ちなみに花花フィーバーに沸く成都のパンダ基地は、今年4月下旬に入場制限と事前予約制を導入した。中国のメッセージアプリWeChatから同基地の公式アカウントにアクセスし、行きたい日のチケットを予約してモバイル決済「WeChat Pay」で入場料を支払うと電子チケットが発券される。

入場ゲートのチケット販売窓口は撤去されており、WeChat Payでチケットを事前に買っておかないと入場できない。事情を知らない外国人が入れない事態が続出しているので、くれぐれも注意してほしい。

地下鉄の「パンダ大通り駅」で降りてシャトルバスに乗り換えてパンダ基地に向かう。基地に到着してから、入園ゲートを通るまでに30分ほど並んだ。その後も行列地獄が繰り返されることを知らなかった筆者は、この時に「思ったより短かったな」と安堵してしまった。

パスポートがないと入れない

入場ゲートでは、身分証明書を読み取り機にかざして入園する。パスポートを出すと、ゲート脇の係員に「あなたは違う。専用の入り口に並びなおして」と押し返された。自動ゲートはパスポートを読み取れないらしい。

とはいえここまで30分並んで、振り出しに戻るのは受け入れられない。隣のゲートの女性係員に、「パスポートの人はどうすればいいの? 別のスタッフに並びなおせと言われたけど、ここまで来たのにひどいでしょう」と訴えると、彼女が中にいる若い男性に「この人外国人!」と指さし、筆者を前に押し出した。

若い男性はボランティアのたすきをかけており、私のパスポート番号をメモして、「特別な事情のある入場者」として通してくれた。ということで、パンダ基地に行く人は絶対にパスポートを忘れないでほしい。ここに限らず、ほとんどの観光スポットは身分証明書がないと入れなくなっている。

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