「中国パンダ基地」空前のブームに沸く現地の様子 身動きできないほどの混雑、どう回るとよい?
基地に向かうシャトルバスでは、男性ガイドが「見どころ」を教えてくれた。「まっすぐ進むとパンダの幼稚園があって、花花はここにいる」「太陽産室には赤ちゃんパンダがいる」などなど。乗客は熱心にスマホにメモをとり、入場したらそこを目指す。
筆者も彼の言葉どおりまっすぐ幼稚園に向かったが、すでに1時間並ぶ列ができており、赤ちゃんパンダがいる太陽産室に行くことにした。
太陽産室も相当並んでおり、日本の花火大会のようにぎゅうぎゅう詰めになって、少しずつ前進する。そして、屋外で遊んでいるはずのパンダがいない。
近くにいた親子連れが、「夏休みの作文のために連れて来たのに、パンダはどこにいるんだ」と文句を言っていた。しばらくすると、拡声器を手にした係員が立っていた。「気温が26度を超えたので、パンダは室内に入りました。皆さんは園舎に向かってください」
パンダのいない屋外展示スペースを横目にのろのろと進み、赤ちゃんパンダのいる園舎にたどりついたのは午前9時40分。パンダ基地に来て最初のパンダを見るまでに1時間半以上かかってしまった。
まるでアイドルの握手会のよう
園舎に入ると数人の係員が「1分で写真を撮って出ろ」と怒鳴っている。立ち止まっていると、「そこ、止まるな」と怒られる。まるでアイドルの握手会のようだった。
赤ちゃんパンダの園舎を出たら、アイスが売っていた。ほかの人たちにならって、ケースからアイスを取ろうとしたら、「先にお金払って」とケースに貼っているQRコードを指された。WeChat Payでお金を払って決済完了画面を見せてから、アイスを取り出した。現金は受け付けていない。
前回の反省を生かし8時に到着したのに、想像以上の混雑で今回も外で遊んでいるパンダを見ることはかなわなかった。そのまま大人パンダのいるエリアに向かう。ここも並んだが、子パンダほどではなかった。
3~4頭見て体力を回復し、11時前に再び花花のいる幼稚園エリアに向かった。1時間ほど並んで園舎に近づいたとき、筆者の後ろにいた女性が係員に「花花はいる?」と聞いた。
係員は「花花はもう寝たよ。見られないよ」と答え、あちこちで悲鳴のようなため息が漏れた。実際、園舎では4頭のパンダすべてが寝ていた。どれが花花なのか、あるいは花花がいたのかさえわからなかった。
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