ロシアとの親しさを隠さない中国。グローバルサウスの反応を織り込みながら接近を図る。
ロシアのモスクワ動物園で間もなく1歳を迎えるパンダ「カチューシャ」が人気を集めている。両親は中ロ国交樹立70周年の2019年、半世紀ぶりに四川省からやってきた。
この動物園は東西冷戦下の1950年代からパンダを飼育していたが交配には成功せず、1972年にメスのパンダが死んだ。アメリカのニクソン大統領が訪中した年だっただけに、「モスクワのパンダがショック死した」という皮肉交じりの冗談が飛び交ったほどだ。
それだけに、ウクライナ侵攻によって先進国から制裁を受けるさなかにロシアで初めて生まれた赤ちゃんパンダは、中ロの友好関係を象徴する存在になっている。
3月、モスクワ中心部の歩行者天国アルバート通りには、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席の等身大パネルが並んで立っていた。実際の身長はプーチン氏が10センチメートル以上低いはずだが、高さはそろえられている。両国の対等な関係を強調するかのようだ。
急速に進むロシアの中国依存
ただ、ロシア経済の中国依存は急速に進む。ロシアから撤退した先進国企業に代わり、中国企業の存在感が増している。代表的なのが自動車だ。
スターリンゴシック様式と呼ばれる重厚な高層建築で知られる「ホテル・ウクライナ」のロビーには、奇瑞汽車の高級スポーツ用多目的車(SUV)「エクシード」が鎮座している。モスクワの巨大ショッピングモールの目立つ場所には、同社の「ジェットア」が飾られている。
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