「勉強や仕事で苦労しない人」が行う"頭の使い方" 脳の仕組みから考える「本当に効率のよい方法」

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そこで、こんな習慣を身につける努力をしてみてください。

朝の就業前に、何にどれくらい時間を振り分けるか、その日の仕事を見通すトレーニングとして「あの仕事は本当にすぐやるべきか」などと脳内で段取りのイメージをつかんでおくのです。このとき、脳内To Doリストは固定したものにしないということを心がけてください。

そして、頭の中のリストを臨機応変に、ダイナミックに変えるためのトレーニングを重ねていくと、脳の中にゆるいTo Doリストを持てるようになっていくはずです。

「何と何をやるべきか」ということを、ちょっとだけ深く考える思考癖を持つことが何よりも重要です。

脳の中にゆるいTo Doリストを用意していると、未来の行動にいろいろな可能性が広がってゆき、運を引き寄せる原動力にもなり得るのです。

一度やってみるとわかると思うのですが、いつも脳内To Doリストを整理していると、朝起きてから夜寝るまで、いかに自分のスケジュールがスキマだらけかということに気がつくはずです。

つまり、時間活用の可能性が大きく広がっていくという観点からもメリットが生まれるのです。いってしまえば、「一石二鳥」の思考法というわけです。

脳の中に「ゆるいTo Doリスト」をつくる秘訣

ここで、簡単に脳の中にゆるいTo Doリストをつくる秘訣をお教えしましょう。

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私たちは普段、「自分が今やっているのは○○○」と意識していることが多いと思います。まずはこのイメージを変化させることが肝要で、処理すべきさまざまな案件が無意識下で湧き出ているイメージを持ってみてください。

脳の仕組みからいえば、意識は多重構造であると考えられています。今まさにあなたは目の前でやっている作業と並行して、意識の奥で別のことに注目しています。これがいわゆる無意識の部分というものです。

今やっていることに100パーセント集中しながらも、同時にやっていない他の案件も無意識の中で見えている。そしてタイミングに応じて、無意識下にあった他の案件を拾い上げてみる。

これが脳の中にゆるいTo Doリストをつくる理想の状態だということを覚えておいてください。

運気アップ:脳の中にゆるいTo Doリストを用意して未来の行動の可能性を広げる
茂木 健一郎 脳科学者

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もぎ けんいちろう / Kenichiro Mogi

1962年東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに、文藝評論、美術評論などにも取り組む。2006年1月~2010年3月、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」キャスター。『脳と仮想』(小林秀雄賞)、『今、ここからすべての場所へ』(桑原武夫学芸賞)、『脳とクオリア』など著書多数。

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