「勉強や仕事で苦労しない人」が行う"頭の使い方" 脳の仕組みから考える「本当に効率のよい方法」
この勉強法、私にとってはごく当たり前の方法だったわけですが、あるときこの話を知り合いの編集者にしたところ、「茂木さん! それおもしろいですよ! ぜひ本にしましょう」ということになったのです。
私としては「こんな当たり前のことが本になるのかな……」と半信半疑でしたが、ふたを開けてみたらその本は50万部を超えるベストセラーとなりました。
「ゆるいTo Doリスト」を脳の中に用意する
仕事の優先順位を決めるとき、多くの人はしっかりした「To Doリスト」をつくって粛々とこなしていけばよいと、考えるのではないでしょうか。
私が意識していることはちょっと違っていて、いつも脳の中に「ゆるいTo Doリスト」を用意しておくということを実践しています。
独自のやり方ですが、紙やパソコンなどにTo Doリストを書き出したりせず、脳の中につねに変更可能なTo Doリストを用意して臨機応変にやるべきことをやるように心がけているのです。
いくらTo Doリストをきっちりつくっても、膨大な仕事を処理しなければならないので、なかなか予定通りにはいかないからです。そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
短期的なものから長期的なものまで実に多種多様な仕事があって、優先的にやらなければいけないことはひとつではなく、むしろ複雑に入り組んでいるものです。
私の場合、原稿執筆から取材や講演、学会のための論文の読み込みなど、やるべき仕事は実に多種多様です。そのうえちょっと油断すれば、また新しい仕事の依頼が舞い込んできます。
そんなときに必要なのは、現状を踏まえながらも、瞬時に「もっとも重要なこと」に目を向けること。そこで、つねに頭の中でTo Doリストのイメージを変化させていくことが肝心だと気づき、いつも脳の中にゆるいTo Doリストを用意しておくという方法を取り入れたのです。
「頭の中にTo Doリスト? 自分にはとてもムリ!」と思った人もいるかもしれません。けれども私は、これを単なる「慣れ」の問題だと考えています。
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