栗山英樹「決死の覚悟」で大谷やダル招集した経緯 WBCまでに栗山氏がノートに書き記した言葉

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WBCは3月開催で、通常ならオープン戦の時期にあたります。いつもより早く身体を仕上げて、トップフォームまで持っていかなければなりません。

気になるあの選手は、これまで3月、4月の試合でどんな成績を残していたのか。

気になる別の選手は、アメリカのあの投手に似たタイプを得意としているのか。

かなり細かなところまでデータで分析できることで、迷いが生じることもありました。我が身の混乱を教訓として、「予備知識は重く」の教えには「使いかたも大事」というただし書きがあることを確認しました。

自分を犠牲にしても他の人を助ける心が利他の心

京セラグループの経営の原点とされる「京セラフィロソフィ」で、稲盛和夫さんがこのように話しています。

日本の野球ファンのみなさんは、どんなチームにワクワクするのか。どんなチームが見たいのか。

これからの日本野球界に、プラスとなるチームとはどんなものなのか。

先入観は軽く、予備知識は重く。

固定観念にとらわれるな。既成概念は捨てろ。

侍ジャパンの監督を務める私が宿すべき利他の心は、どの選手を選ぶべきなのかを、自分を犠牲にしてまで考える。そこまで真剣に考えて正しいと思ったものこそ、誰から見ても正しいものである。つまり、人間として正しい判断と言えるのでは、と考えました。自分中心ではなく、選手のため、日本野球のため、日本という国のために「これがいい」と考えるなら、おそらくは周りの人たちも協力してくれるに違いないでしょう。

自分を犠牲にしてまで考えるなかで、「多様性」という言葉が思い浮かびました。

日本のプロ野球が過渡期を迎えているなかでは、「どこで野球をしているのか」を問うのではなく、同じ野球人として手を取り合い、ともに野球の素晴らしさを広めていくべきです。

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