栗山英樹「決死の覚悟」で大谷やダル招集した経緯 WBCまでに栗山氏がノートに書き記した言葉
おりしも2022年2月に、ロシアによるウクライナ侵攻が勃発しました。新型コロナウイルス感染症に世界がなおも苦しめられているなかで、地球環境の変動に世界が協調して取り組んでいるなかで、軍事侵攻というものが起こることに、私自身は戦慄するしかありませんでした。
力による一方的な現状変更を認めることはできず、国籍や人種、性別や宗教などを超えて世界が共存共栄していってほしい。手をつないで助け合っていきたい。
スポーツでお互いの力をぶつけた者同士が、武器を持って戦うことなどできるはずはない。多様性を持ったチーム作りは、協調することの意味を世界に知らしめることにつながるのではないだろうか。
そう考えると、スポーツにも、WBCにも、世界平和のためにできることがあるはずだ。日本人の魂を持ち、つねに全力を尽くし、利他の心を持つ選手がいるならば、侍ジャパンへの招集を検討しようと決めました。
ラーズ・ヌートバーの第一印象
メジャーリーグでプレーする外国籍選手については、出場資格に関するルールが直前まで明らかにされませんでした。だからといって、決まってから動くのではリスクがあります。早い段階から可能性を探っておくべきだと考え、翔平の通訳を務める水原を通じて、有資格者と見られる選手に「ジャパンから招集を受けたらどうするか?」を聞いてもらいました。
6、7人の選手に当たってもらったところ、すべての選手から前向きな返答を得ることができました。エンゼルスで翔平のボールを受けていたカート・スズキ捕手も、「選ばれたら喜んで参加します」とのことでした。22年限りで現役を退いたため、候補からは外しましたが。
ラーズ・ヌートバーとは、まずオンラインで話をしました。第一印象からみなさんの知る彼そのもので、一生懸命で、素直で、侍ジャパンのために戦う魂を持っていることがわかりました。
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