トップ栄養専門家が語る「栄養神話10のウソ」 缶詰や冷凍より、新鮮な野菜や果物が健康的?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

しかし、このカロリーに関する研究は、食べ過ぎが持続的な体重増加を引き起こし、結果として過体重や肥満になることを示唆するものではない。タフツ大学フリードマン栄養科学・政策大学院の栄養学・医学教授であるダリシュ・モザファリアン博士は、「むしろ、私たちが食べる食品の種類こそが、長期的に過体重や肥満を引き起こす要因である可能性がある」と言う。

精製されたでんぷん質のスナック、シリアル、クラッカー、エナジーバー、焼き菓子、炭酸飲料、スイーツなどの超加工食品は、急速に消化され、血液中にブドウ糖、果糖、アミノ酸があふれ、それが肝臓で脂肪に変換されるため、体重増加の点で特に有害である。むしろ、健康的な体重を維持するために必要なのは、カロリー計算をすることではなく、総合的に健康的な食生活を優先すること、つまり量より質を優先することである。

果物を丸ごと食べると血糖値をコントロールしやすくなる

神話4:2型糖尿病患者は果物を食べてはいけない

これは、糖分が多く食物繊維が少ないため血糖値を上昇させるフルーツジュースを、丸ごとの果物と混同したことから生まれた神話だ。

しかし、この神話は事実と異なることが研究で明らかになっている。例えば、ブルーベリー、ブドウ、リンゴなどの果物を1日1食分摂取している人は、2型糖尿病の発症リスクが低いという研究結果がある。また、すでに2型糖尿病を患っている人は、果物を丸ごと食べると血糖値のコントロールがしやすくなるという研究結果もある。

この神話を打ち破る時が来た、とカイザー・パーマネンテ・サンフランシスコ医療センターの内科医で料理医学・生活習慣医学の責任者であるリンダ・シウエ博士は語り、2型糖尿病患者を含むすべての人が、果物に含まれる食物繊維、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質などの健康増進栄養素の恩恵を受けることができると付け加えた。

神話5:植物性ミルクは牛乳より健康的

オーツ麦、アーモンド、米、ヘンプなどから作られる植物性ミルクは、牛乳よりも栄養価が高いという認識がある。元アメリカ農務省副長官で、アリゾナ州立大学の持続可能な食料システム学科のキャスリーン・メリガン教授は、「それは正しくない」と否定した。

例えばタンパク質含有量を比べると、一般的に牛乳には1カップあたり約8グラム、アーモンドミルクには1カップあたり約1~2グラム、オーツミルクには1カップあたり約2~3グラムのタンパク質が含まれている。植物性飲料の栄養価はさまざまだが、多くの場合、牛乳よりもナトリウムや糖分など、健康状態を悪化させる可能性のある成分が多く追加されているという。

次ページホワイトポテトは体に悪いのか
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事