トップ栄養専門家が語る「栄養神話10のウソ」 缶詰や冷凍より、新鮮な野菜や果物が健康的?

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神話2:脂肪はすべて悪

1940年代後半に発表された研究で、高脂肪の食生活と高コレステロール値との間に相関関係があることが明らかになったとき、専門家は、食事に含まれる総脂肪量を減らせば心臓病のリスクは下がるだろうと考えた。

1980年代になると、医師、アメリカ連邦政府の保健専門家、食品業界、ニュース・メディアは、低脂肪の食生活が心臓病や過体重・肥満などの問題を予防するという確かな証拠がなかったにもかかわらず、低脂肪食がすべての人に有益だと報じるようになった。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)人間栄養センター医学部助教授のビジャヤ・スランプディ博士は、脂肪が悪者扱いされた結果、多くの人々や食品メーカーが、脂肪から摂取するカロリーを精白小麦粉や糖類などの精製炭水化物から摂取するカロリーに置き換えるようになったと指摘する(例えば、脂肪分ゼロのクッキー「SnackWell’s」が大流行した)。「国民のスリムな体型を保つ代わりに、過体重と肥満の割合が大幅に上昇した」とスランプディ博士は指摘する。

すべての脂肪が悪いわけではない

そして、実際、すべての脂肪が悪いわけではない、とスランプディ博士。飽和脂肪やトランス脂肪などの特定の種類の脂肪は、心臓病や脳卒中などの病気のリスクを高めることがあるが、(オリーブ油やその他の植物油、アボカド、特定のナッツや種子に含まれる)一価不飽和脂肪や、(ヒマワリ油などの植物油、クルミ、魚、亜麻仁に含まれる)多価不飽和脂肪などの健康的な脂肪は実際、リスク軽減に役立つ。また、良質な脂肪には、エネルギーを供給し、重要なホルモンを分泌し、細胞機能をサポートし、一部の栄養素の吸収を助ける重要な働きもある。

「脂肪分ゼロ」と表示された製品を見ただけで、健康的だと決めてかからないように、とスランプディ博士は注意を促した。それよりも、原材料がシンプルで糖類が添加されていない製品を優先すべきだ。

神話3:長期的な体重増加の最大要因は、「摂取カロリーと消費カロリー」のバランス

確かに、摂取カロリーが消費カロリーを上回れば体重は増えるだろう。また、消費カロリーが摂取カロリーを上回れば、少なくとも短期的には体重が減るだろう。

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