慶應野球部「勝てるチーム」に変えた監督の手腕 「常勝リーダーのコミュニケーション」の共通点

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「勝つチーム」を率いるリーダーの共通点。まず1つ目は、現役時代の実績がそれほど華々しいものではないということです。

つまり、選手としてはパッとしなかった人たちであるということです。

森林監督は小学校教諭としての教務もこなす「先生」

栗山監督は自ら「ヤクルトスワローズに在籍した7年間で、ゴールデングラブ賞を一度獲得しただけで終わった」と謙遜し、「プロ野球選手としての日々を履歴書にまとめるなら、自己アピール欄に書き込めるものはほとんど見つけることができません」(著書『栗山ノート』)と語っています。

森林監督は、慶應幼稚舎で小学校教諭としての職務もこなす「先生」のプロであって、野球選手としての実績はあまりありません

青山学院大学駅伝部を率い、多くの実績を残す原晋監督も、陸上の選手としての現役時代の成績は目立ったものはなかったと公言しています。

実は、選手として輝かしい実績があるからといって、いい監督やコーチになれるかと言うとそうとは限りません。じつは逆のケースのほうが多いのだそうです。

アメリカ・ダートマス大学の認知科学者シアン・バイロック氏は、

「最高の選手が最高のコーチになることは稀だ。高い技術を自然とこなせる人が、自分のパフォーマンスのステップ・バイ・ステップのプロセスについて考えることは無益であり、そのパフォーマンスを乱す可能性もある。だから熟練したプレイヤーは、自分の行動を言葉にするのが苦手なことが多い」

記事の中で解説しています。

「自然にできてしまう人」は「できない人」の気持ちはわからないし、「どうやってできるようになるのか」を言語化する能力がない人が多い、ということ。

これは、何事についても言えるかもしれません。

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