栗山監督、10年以上見てきた私が驚いた「言葉の力」 日本ハムでもWBCでも共に過ごした捕手が明かす

技術指導ではなく、メンタル面で花開かせる
栗山監督が日本ハム監督に就任した2012年、入れ替わるようにして、ダルビッシュ投手がポスティングシステムを活用してメジャー入りしました。2011年18勝を挙げた「絶対エース」が移籍してしまって、チームの戦力低下は明白でした。
しかし、その2012年に日本ハムはリーグ優勝し、MVPを受賞したのは吉川光夫投手でした。吉川投手は広島・広陵高を卒業したプロ1年目の2007年、いきなり4勝をマークしましたが、翌年2勝。その後3年間無勝利。それがいきなり14勝という大飛躍を遂げたのです。
吉川投手は前年の2011年、ファームながら最多勝、最優秀防御率、最多奪三振と、向かうところ敵なしで、タイトルを独占しました。
「ファームでは無双状態。でも、1軍に上げたら結果が出ない」――そういうタイプの選手でした。しかし、「吉川は絶対に花開く。でも、そこに持っていくのは技術指導じゃなくてメンタルだ」ということを、栗山監督は見抜いていたのです。
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