"7つの悪手"「山下達郎氏の伝え方」失敗の典型だ 大炎上は必然「危機管理の失敗事例」に学ぶ教訓

✎ 1〜 ✎ 84 ✎ 85 ✎ 86 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
【7】キレる

そして、極めつけが、最後の

「このような私の姿勢を忖度、あるいは長いものに巻かれているとそのように解釈されるのであれば、それでも構いません。きっとそういう方々には私の音楽は不要でしょう」


 というキレ気味な「絶縁宣言」でした。

危機管理における「7つめの悪手」が「感情的になってキレる」こと。

歴史をさかのぼって、雪印乳業の社長の「私は寝てないんだ!」発言に匹敵するかもしれない、この暴言

自らの行動を「忖度だ、長いものに巻かれている」などと卑下したかと思えば、「そんなくだらないことを言う人たちに用はない」という捨て台詞。

山下達郎氏の発言が大炎上した背景にある「伝え方"7つの悪手"」

【1】コミュニケーションの「目的」と「手段」を取り違える
【2】「一方的な言い分」を押しつける
【3】「もともと持っているイメージ」との乖離
【4】「ネガティブワード」を連発する
【5】言い訳三昧
【6】「いらない情報」がてんこ盛り
【7】キレる

下手にペラペラしゃべって炎上するぐらいなら……

岡本純子さんの「伝え方セミナー」を8月6日(日)に紀伊國屋書店札幌本店(詳しくはこちら)、9月13日(水)に紀伊國屋書店梅田本店で(詳しくはこちら)それぞれ実施します。

以上、今回の掟破りだらけの発言は、カセットテープにダビングして、擦り切れるほど聞いた私のような「弱小ファン」にとっても、本当に悲しい、切ない内容でした。

危機管理においては、(ご本人にその意識はなかったのかもしれませんが)、「言えばいい」というわけではありません

今回の場合、下手に、ペラペラしゃべって炎上するぐらいなら、「ごくごく短いコメント」もしくは「何も言わない」というオプションのほうがよほどよかったのではないでしょうか。

憶測とウソまみれのサイバー空間を敬遠し、SNSによる発信も行ってこなかった山下氏が、ネットで大炎上してしまうというこの皮肉。

口は禍の門と申しますが、私たち一人ひとりも他山の石としたいところです。

岡本 純子 コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おかもと じゅんこ / Junko Okamoto

「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジスト。株式会社グローコム代表取締役社長。早稲田大学政経学部卒業。英ケンブリッジ大学国際関係学修士。米MIT比較メディア学元客員研究員。日本を代表する大企業や外資系のリーダー、官僚・政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチ等のプライベートコーチング」に携わる。その「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれる。2022年、次世代リーダーのコミュ力養成を目的とした「世界最高の話し方の学校」を開校。その飛躍的な効果が話題を呼び、早くも「行列のできる学校」となっている。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事