"できるママ"が集まる企業の「仕掛け」とは? 4社の実例で効果的な手法が分かった!

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採用ページにママ大歓迎をうたう理由について、谷生社長の答えは明確だ。「このサービスを自分事としてとらえ、ママのニーズを取り入れてサービスを改善していきたいから」。その期待を背負う一人である太田さんは現在、8時から17時までのフルタイムで勤務している。

「フルタイム勤務になって自分自身もウェルノートのヘビーユーザーになりました。一緒にいられない時間を穴埋めできますし。子どもを介した話題が増えたことで、両親とのコミュニケーションもとりやすくなりました」。ユーザー目線に立った企画や改良を進めていく予定だ。

ケース2 ココナラ
柔軟な働き方にすることで、ほかで働きにくい女性が来てくれた

「先輩、私を雇ってくださいよ」「いいよ。とりあえず来てみない? 数字が得意だろうからマーケティングの仕事やってよ。いろいろ勉強になるし、子どもが熱出たら帰っていいからさ。高い給料は払えないけど」

金融業界の最前線への復帰は難しかった

大学のゼミの同窓会で南章行社長と再会した山浦美里さん。そんな会話がきっかけとなり2013年9月からココナラで働くことになった。

南章行社長(右)と山浦美里さんは、大学ゼミの同窓会で再会したのがきっかけで一緒に働くことになった

現在マーケティングリサーチャーとして働く山浦さんだが、大学卒業後は日米の金融機関でファンドマネジャーやポートフォリオマネージャーとして活躍するなど、金融業界の最前線で過ごしてきた。

そこに転機が訪れる。ニューヨーク勤務中に知り合った男性と結婚することになり帰国。その後、英国留学を決めた夫に同行するため退社。自身も英国で経済学を学び2012年末に修士号を取得したが、その間に第1子を出産した。

このまま子育てに専念する選択肢はなかった。「子育てだけをしていると、人と話すことに飢えてしまう。刺激がなく人生がゆっくりしすぎるというか――」。山浦さんは社会復帰を考えるようになり、ヘッドハンター経由で金融業界への復帰を模索する。

ところが、「金利の情報が流れるとピピッと反応する」ほど債券の仕事が生活の一部となっていた山浦さんにとって、金融の仕事を片手間にこなすのはどうしてもイヤだったという。「この世界では、夜7時、8時に終わるような仕事では何かを端折らないといけない。かといって、アシスタント業務に就くとなるとフラストレーションがたまる」ことは明らか。南社長と再会したのは、金融業界への復帰が難しいことを痛感していたときだった。

山浦さんにとって社会復帰をする理由は二つあるという。能力維持と社会貢献だ。「私は周囲の人や運に恵まれ、時に熱くなりながら仕事をやってきた。その仕事によって磨かれた能力を腐らせたくないという思いがありました。またボランティアやコミュニティを作るといった方法だけでなく、意義のある仕事をすることもまた、社会貢献の一つだと思っています」。

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