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「青田売り」と「等価交換」でマンション開発の常識を変えた大京。革新的な手法を次々と導入

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「伝説のマンション王国 大京」連載バナー

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大京──。1978年から2006年まで、29年の長きにわたってマンション発売戸数首位であり続けた企業だ。2000年代半ばに経営危機に陥って以降、業界でも有名な「猛烈営業」は鳴りを潜めたが、確実にマンションの一時代を築き上げた。その大京を連載で描くことは、日本のマンションブームの核心に迫ることでもある。

第1回:タワマンブームの源流「エルザタワー55」の全貌
第2回:川口タワマン「エルザタワー」 用地取得の全内幕
第3回:大不況を3度生き抜いた大京「鬼軍曹」が泣いた日
※第1回は、無料会員は全文をご覧いただけます

29年連続でマンション供給戸数1位に君臨した大京。その成功は、卓越した営業力のみならず、革新的な手法を次々と取り入れてきた先見性にあった。

土地取得から販売手法、資金調達に至るまで、大京は業界の半歩先を行く戦略で市場をリードしてきた。時に痛手を負いながらも、大京が切り開いた道には、現在の不動産業界の基盤となったものが多い。

「青田売り」で資本を高回転

1977年1月、大京は「ライオンズマンション大森」(東京都品川区)を発売した。14階建て、総戸数361戸の規模を誇るこの物件は、単棟のライオンズマンションとして当時最大だった。

そして、大京として初めて建物が完成する前に仮設のモデルルームを設営し、販売を進めた象徴的なプロジェクトでもあった。

「青田売り」と呼ばれる建設前の早期販売は、デベロッパーにとって、資本の高回転を支える重要な武器となる。完成前から販売を開始することで、資金を早期に回収できるとともに、その資金を元手に次の事業への投資も可能になる。

それまでのモデルルームは、建物が完成した後の一室を使うものが主流だった。しかし大京は「ライオンズマンション大森」で、仮設のモデルルームを設置し、建物が完成する前から販売するという革新的手法を本格的に導入した。

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