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〈今週のもう1冊〉『PLURALITY 対立を創造に変える、協働テクノロジーと民主主義の未来』書評/ITと民主主義は共進化できる

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「PLURALITY』オードリー・タン、E・グレン・ワイル、⿻コミュニティ 著
PLURALITY(プルラリティ) 対立を創造に変える、協働テクノロジーと民主主義の未来(サイボウズ式ブックス)(オードリー・タン、E・グレン・ワイル、⿻コミュニティ 著/山形浩生 訳/鈴木 健 解説/ライツ社/3300円/624ページ)
[著者プロフィル]Audrey Tang/台湾の初代デジタル担当政務委員。
E. Glen Weyl/経済学者。RadicalxChange創設者。

希望のある本を読んだと思えた。民主主義の危機が語られる世の中である。トランプ米大統領の朝令暮改と政商化する米国のビッグテック、ロシアのウクライナ侵攻、各国のクーデターや独裁など、混乱が続いている。

そうした中、本書は民主主義の価値を「Plurality(プルラリティ)」という言葉で語り直す。プログラマー出身の台湾の政治家オードリー・タン、経済学者のグレン・ワイルという2人の著者に、世界中のコミュニティメンバーが協力し、複製自由のオープンソース書籍として出版。次世代のための思想書だ。プルラリティは「多元性」や「多数性」を意味するが、本書では「社会的差異を超えたコラボレーションのための技術」と定義される。

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