「再野生化」し猛威を振るう地球にどう適応するか 『レジリエンスの時代』など書評4冊

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ブックレビュー『今週の4冊』

 

[Book Review 今週のラインナップ]

・『レジリエンスの時代 再野生化する地球で、人類が生き抜くための大転換』

・『歴史としての二十世紀』

・『雑草学のセンセイは「みちくさ研究家」』

・『球速の正体』

『レジリエンスの時代 再野生化する地球で、人類が生き抜くための大転換』ジェレミー・リフキン 著
『レジリエンスの時代 再野生化する地球で、人類が生き抜くための大転換』ジェレミー・リフキン 著/柴田裕之 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎

近年、世界中で熱波や旱魃(かんばつ)、洪水、森林火災が続いている。産業革命以降、化石燃料文明が200年余り続いたが、ついにそれは臨界に達した──。著名な文明評論家が、未来への処方箋を論じた衝撃の一冊だ。

人類の共感力は自然にも及び環境適応力は最大の強みである

著者は、人類が自然を支配する「進歩の時代」は実質的に過ぎ去ったとみる。そして、「レジリエンスの時代」への転換が必要だと説くが、本書でいう「レジリエンス」とは、元の状態に復元するための力ではない。「再野生化」し猛威を振るい始めた地球環境に人類が適応し、自然との共存を図ることを意味する。

人類が生き延びるには、強欲資本主義の終結だけでなく、統治の仕組みや民主主義のあり方にも刷新が必要だというが、可能か。

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