"できるママ"が集まる企業の「仕掛け」とは? 4社の実例で効果的な手法が分かった!

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2011年創業のココナラは、『一人ひとりが「自分のストーリー」を生きていく世の中を作る』ことを理念に掲げ、個人の知識、スキル、経験を売り買いできるウェブサービスを運営している。1回500円(基本)で売り買いできるところに特徴があり、占い、似顔絵・イラスト作成、ビジネス支援など21カテゴリーを持つ。現在登録者数は約15万、取引件数は月2万にのぼる。

「フェイスブックで『働きかた、日数など超柔軟です』と募集したら、外資系や大企業などで働いていたすごく優秀な女性が4~5人応募してくれました」と南社長。また、子どもが熱を出したら帰っていいという一言は、主婦に“刺さる”メッセージになると指摘する。

いろいろな勤務形態で働くことができる

ココナラでは、フルタイムだけでなく週2~3日勤務の業務委託など、いろいろな勤務形態の人が働いている。「働き方を画一的にする必要はない」というのが南社長の持論だ。「ベンチャーが大企業に勝てるのは柔軟さ。柔軟にすることで、ほかの会社では働きにくい女性が来てくれるし、新しい価値を生み出すサービスを展開する上でも女性は必要ですから」と、優秀なママ社員を採用するのは、経営者として合理的に判断した結果なのだ。

ケース3 アクウェスト
リモート&短時間でも高いバリューを出してくれる

再生医療関連サービスや医療コンサルティングを展開するアクウェストの高崎宏之社長は、コンサルティングファームの戦略コンサルタント出身。マーケティングを担当する猪野美里副社長は、前職での同僚で社歴では先輩にあたる。

前職で一緒に働いていて、「お互いの仕事のクオリティを知っている安心感がある」と語る高崎宏之社長(右)と猪野美里副社長(左)

「iPS細胞が話題になるなかで、医療に機軸を置いた新しいビジネスをしようと決めたときに、真っ先に声をかけました。理念に共感してもらえると思ったからです。前職での猪野さんは企業戦士でしたね。それでいて、現場目線があってきめ細やか。小さなお子さんがいることはネックになりません。8時間労働だから8時間フルに集中して仕事をしているかといったら、そんなことはない。本当に集中する時間は2~3時間では。それくらい仕事をしてくれれば、ふつうの人の1.5人分くらいのバリューを出してくれますから」(高崎社長)。

声をかけられた猪野さんは当時、第1子出産後に復職したものの、流産をきっかけに「ここでコンサルタントとして働き続ける体力は自分にはないと、見切りをつけた」タイミングにあった。同じ社内でバックオフィス(事務・管理業務)の仕事に変わるという選択は考えにくく、アクウェストでチャレンジする道を選んだ。

「育児の合間にやってよというニュアンスで誘われたのですが、いざ働き始めると楽しくて、がんばりすぎて帯状疱疹になってしまったことも。体力に限界を感じて前職を辞めたのにこのままではいけない」(笑)と、体力と仕事のバランスを再調整しながら、子育てとの両立を図ってきた。その後第2子を出産し、この夏には双子の出産を控えている。

猪野さんは、基本的には自宅で仕事を進め、週2~3日はクライアント先などに出かけるペースで働いている。高崎社長とは、普段からスカイプなどを利用してやりとりすることが多い。「前職でもそうやって仕事をしていました。職場の上司が日本にいるとは限りませんでしたし。リモート(遠隔)でも、会話のキャッチボールをしながらいいものができていくことを知っているのは、われわれの強みかもしれません」(高崎社長)。

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