惜しい!勉強熱心な人ほどハマる「読書の罠」 その「努力」が結果につながらない3つの理由

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もちろん、純粋に流行を理解する、話題にキャッチアップする、という目的で選ぶならばいいでしょう。しかし、そのときのベストセラーが必ずしも、今の自分にとってよい本とは限りません。

そもそも、ベストセラーというものは、内容とは関係ないところでの「書籍マーケティングの巧拙次第」といった側面もあるので、必ずしも質を保証するものではありません。そして、本当によい本だとしても、今の自分の問題意識に合致しているかどうかはまた別問題です。

書店で平積みになっていたり、インターネットで紹介されているのを見ると、誘惑にかられる気持ちはよくわかります。

しかし、一度、冷静に立ち止まって考えてほしいのです。

「この本は、今の自分にとってどのような意味があるのだろうか?」「どうせ読むのであれば、本棚に眠っている別の本のほうがよくはないか?」と。

よく、「ベストセラーよりロングセラーを」ということが言われます。
いわゆる古典的なロングセラーは、見栄えとして新鮮味に欠けるかもしれません。しかし、同時にロングセラーは、多くの批判の目に耐えてきた内容、という事実もあります。

自分にとってのヒットの打率は、間違いなく高まるでしょう。

もし何らかの指標を頼るならば、「瞬間的な売れ行き」に目を奪われるのではなく、「売れている期間の長さ」に着目したほうがいいとも言えます。

落とし穴その2:手に取った本と心中

一度、本を買ったら最初から最後の1ページまで読み切る、という人は、勉強熱心な方ほど多い気がします。

もちろん丁寧に読み切るというのは、決して悪いことではないのですが、たまたま手に取ってしまった「自分に合わない本」に時間をかけて、丁寧に読む必要はまったくありません。

「せっかく買ったのだからもったいない」という気持ちはわかります。しかし、おカネ以上にもったいないのは、「貴重な時間」です。

「この本はキツい」と思ったら、「さっさとあきらめる」「斜めに読んでおく」「大事だと思ったところだけつまんでおく」。そんな感じでいいのです。もし本当によい本なのであれば、その本の意味がわかるようになったタイミングで、また読めばいい。

ライフネット生命の出口治明氏は、著書『本の「使い方」』(角川oneテーマ21)の中で、「はじめの5ページで面白くないと思ったら読まないということをルールとしている」と述べています。

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