「売り込み」ではなく「発信」で仕事をつくるコツ 「やりたい」から逆算するDX時代のキャリア戦略

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DXが進んだ時代の「新しい仕事のつくり方」とは(写真:TY/PIXTA)
「このままの働き方でいいのか」――。コロナ禍を経てキャリアを見直す動きは加速しました。しかしやりたいことが見つかっても、新しい分野への挑戦はなかなかハードルが高いもの。そこで本稿では、戦略デザイナーの佐宗邦威氏が実践する、DXが進んだ時代の「新しい仕事のつくり方」を『じぶん時間を生きる TRANSITION』より一部引用・再編集してお届けします。

案件の生まれ方が変わった!

コロナ後に、大きく変わったことがある。それは、多くの仕事のDX化が進んだことで、仕事の案件の生まれ方が変わってきたことだ。僕の経験を振り返っても、以前は本を出版したら、その後に講演や新規案件の相談が継続的に来ていた。しかしコロナ禍を経て、発信した情報が「古くなる」スピードが速くなった感覚がある。本にまとめるのではなく、この瞬間に自分たちがやりたいことを発信することで、共感する人とその場でマッチングし、仕事が生まれていく。

「自分主体の仕事」をつくっていくために、考えややりたいことを発信することがより重要になってきているのではないか。

もちろん、これまでも外に発信することは仕事をつくるうえでは大切なことだった。では、なぜ発信が次の展開につながることが増えたのか。 

アメリカの社会学者、マーク・グラノベッター氏は、人づきあいには大きく分けると「強いきずな(Strong Tie)」と「弱いきずな(Weak Tie)」の2つがあると提唱した。強いきずなとは、家族や職場の人のように毎日顔を合わせるような人間関係。一方、弱いきずなとは、その外側の疎遠な人間関係のことで、時々しか会わない人たちだ。

社会学的な視点からいえば、新たな発想を生むためには「弱いきずな」が重要だといわれている。偶然、斬新なアイデアを得たり、新しいチャンスを見つけたりすることがよくあるが、こうしたいわゆるセレンディピティ(偶然の産物)は、弱いきずなの人との出会いがもたらす可能性が高い。

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