今のアメリカ株はバブルでなく大崩壊もない

みずほ証券・大橋英敏氏に金利、インフレを聞く

アメリカの株価が長期金利に揺さぶられてふらついている。今年、大幅な下げはあるのか(写真:Bloomberg)
今のアメリカの株式市場はバブルなのか。長期金利の上昇やインフレ期待の上昇が株価の大暴落を招くといった事態が今年起きるのか。世界の債券・金利や債務・クレジット市場に詳しく、長年、バブルの形成・崩壊をウォッチしてきた、みずほ証券の大橋英敏チーフクレジットストラテジストに話を聞いた。

長期金利の上昇にまだ持続力がない

――アメリカの長期金利上昇で先週は株価が動揺しました。

昨年から、2021年にはアメリカでインフレ期待が高まり、長期金利が上昇し、さらにFRB(連邦準備制度理事会)が利上げに踏み切るのではないかという観測が出てくるのだろうと予想はしていた。しかし、私自身はFRBが利上げするような展開になるとは見ていない。

そして、まだアメリカの長期金利の上昇にも持続力がない。インフレ関連の指標を見ても、実際のCPI(消費者物価指数)上昇率は1%台半ばと低いし、機関投資家の多くやFRBのパウエル議長も見ている5年先5年物フォワードレート(5年後から5年間のインフレ予想を表す)は2%程度で落ち着いている。BEI(ブレークイーブンインフレ率、物価連動債の価格が示すインフレ率)は跳ねたが、BEIの市場は外国人の参加者が少なく長期保有の機関投資家ばかりなので、売買が少なく少しの売り買いで動きやすい。その後は、BEIも5年先5年物フォワードレートも下がってきた。

また、短期金利も低い。これが重要だ。つまり誰も利上げが行われるとは予想していない。長期金利の上昇は株のバリュエーションの下落をもたらすが、長期金利が1.2%から1.6%になったぐらいでは、株価は10%ほど下がれば十分でそれ以上のことは起きない。

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