46歳社長がキーエンス→ホスト→起業で得た成功 「プロテイン」大ヒットの裏にさまざまな仕掛け
「プロテイン」と聞いたとき、あなたは何を思い浮かべるだろうか?「マッチョが筋トレ後に牛乳に溶かして飲むもの」という認識はもう古い。「美容・健康・ダイエット」、そう広告上でアピールするスリムな芸能人に憧れ、日々の食生活に取り入れるもの──。それが今のプロテインの新常識だ。
そんな“新常識”の真逆を行き、いま爆発的に売り上げ伸ばしているプロテインが「VALX(バルクス)」だ。展開当初の“広告費はゼロ”。プロデューサーはゴリゴリマッチョの“筋肉博士”。ターゲットは“筋トレ玄人”。異例の戦略でプロテイン界に革命を起こしているのが、フィットネスブランド「VALX」のレバレッジ代表・只石昌幸さん(46)。
新卒で入ったキーエンスを3年で辞めホストに、貯金ゼロの生活、起業……。波乱万丈の経営者への道のりと、「プロテインから広がる未来」を聞いた。
わずか2年で業界大手に名乗りを上げた
濃い顔立ちにガッシリした体、低い声で落ち着いた話し方……。「渋谷のベンチャー経営者、というより、昭和の映画スターみたいだな」。只石さんに会ったときの記者の第一印象だ。
「最近、空手の黒帯をとったんです。40歳を過ぎてもまだまだ成長しているんだって実感しています」。只石さんは武術家の側面も持ち、ベンチプレスで100kgを上げる“マッチョ社長”。渋谷の一角に構えるおしゃれなオフィスよりも、畳のほうがよく似合いそうだ。ただ、“古風”とはほど遠い先進的な経営手法により、VALXプロテインを大ヒットさせている。
2019年に立ち上げた、プロテインを中心とするD2Cブランド「VALX」は、広告費に頼らずSNSマーケティングを駆使し、わずか2年でAmazonベストセラーになり、業界大手に名乗りを上げた。楽天市場でも「ホエイプロテイン」の売り上げベスト10(2月15日時点)に入るなど、人気は継続している。その「VALX」がヒットした背景を分析すると、【①高コスパ】【②玄人ファン】【③飲みやすさ】の3つの要素があった。
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