まさに事典「北海道旅本」全市町村を網羅の本気度 北海道担当歴10年の編集担当に聞いた旅のプランニング

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鉄道の廃線が続く中、広い北海道を効率よく回る移動手段として注目されているのは「“飛行機”で移動すること」だと言う。

昭文社ホールティング広報竹内渉さんによると、

「実際、札幌にある『札幌丘珠(おかだま)空港』の2022年の利用者数は13年ぶりに30万人を上回っており、道外からの発着便も増えています。市中心部からのアクセスやジェット機が就航できない点など課題もありますが、今後改善していく動きもあり、新千歳空港以外にも活用できる空港がある、と知っていただけると旅のプランも広がると思います」。

「丘珠空港からは道内の主要都市、離島を結ぶ航空便が出ています。札幌とセットで利尻島や礼文島に行くプランニングも可能です」(茂呂さん)

札幌丘珠空港(写真:bee/PIXTA)

札幌丘珠空港(通称・丘珠空港)は、もともと自衛隊専用飛行場だったが、1961年から民間機が乗り入れており、札幌の中心部から車で約20分とアクセスもよい。

北海道旅行をする上での注意点

さらに、夏の北海道旅行をする上での注意点がもう1つ。それは、北海道が万人にとって人気の旅先であることだ。

『北海道旅事典』は発売前から北海道内でも注文が殺到したが、「これは、北海道ならではの事情もある」と、竹内さん。

「北海道は外国人観光客にも人気の旅先。コロナ禍が明け、インバウンド客と日本人観光客が被ると混雑が予想され、すでにガイドブックなどに載っているメジャーな観光客が収まりきらない時もある。

また、コロナ禍ではマイクロツーリズムが推奨され、改めて道内の観光に目を向け始めた道民のみなさんが、札幌から足を延ばして観光するようになった。そうしたことから、情報がたくさんあるものが求められると予想している」(竹内さん)

北海道旅事典 (テーマガイド)
『北海道旅事典 (テーマガイド)』(昭文社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

今年の夏は、国内外、道内からの観光客で賑わいそうな予感がする北海道。

「行きたくなったら、とにかく早く計画することも大事。最近は宿泊費や航空運賃だけでなく、観光関係のさまざまな利用料、価格が変動するようになりつつあり、直前に予約すると思いのほか高額になってしまう傾向がある」(竹内さん)

久しぶりの自由度の高い夏休みは、情報をうまく活用しつつ、今までに行ったことのない北海道のエリアに足を延ばしてみてはいかがだろうか。

吉田 理栄子 ライター/エディター

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よしだ りえこ / Rieko Yoshida

1975年生まれ。徳島県出身。早稲田大学第一文学部卒業後、旅行系出版社などを経て、情報誌編集長就任。産後半年で復職するも、ワークライフバランスに悩み、1年半の試行錯誤の末、2015年秋からフリーランスに転身。一般社団法人美人化計画理事。女性の健康、生き方、働き方などを中心に執筆中。

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