まさに事典「北海道旅本」全市町村を網羅の本気度 北海道担当歴10年の編集担当に聞いた旅のプランニング
例えば、事典でありながら旅先での目的物を見つけやすくするために、まず北海道を道北、道央、道南、道東の4エリアに色分けし、さらに観光しやすいように11エリアに分解。そこから17テーマに分けてタグ付けするなど、「目的物を見つけやすく」する仕掛けが随所に施されている。
北海道の大きな楽しみの1つである飲食についても「グルメ」の項目だけでなく、「丼」「ラーメン」「銘菓」「名酒」と旅の“目的物”となり得るものを厳選かつ深掘りしている。
さらに、巻末には北海道全域の食材について掘り下げた「北海道食材図鑑」も収録した。じゃがいもだけでも8種類も載っているが、「図鑑で見て、現地で食べた品種を地元のスーパーで見つけた時に『これは北海道旅行で食べたあのホクホクのじゃがいも』と、旅の思い出と、事典の知識が結びつく。旅の思い出が、記憶と知識として残ってほしい」(茂呂さん)との思いから。
一部食材には、花の見頃の時期も掲載されている。これには茂呂さんの強い思いがあったようだ。
「夏の北海道旅行でぜひ見てもらいたいのは、やっぱり花なんです。北海道の広大な風景になびく有名なラベンダーやひまわりなどは畑で育てられている工芸作物の花畑で、ほかにも北海道の豊かな食材の花の景色も趣がある。
例えば幌加内町の7~8月の真っ白なソバ畑、ニセコ町の6~7月のじゃがいもの花の風景など、収穫される旬の時期と同様に、北海道では花の旬もぜひ楽しんでほしい」と言う。
北海道旅行プランニングのコツ
では、北海道の旅行はどのように計画を立てるのがいいのか。茂呂さんにおすすめの旅先とコツを聞いた。
「おすすめの場所は道北の離島、利尻島と礼文島。とにかく花がきれいで、ぜひ夏に行ってほしいですね。ただ、北海道旅行のプランニングで重要なのは距離感です。例えば、観光名所である札幌~函館~知床を数日間で巡るのは無理です」
実際、同じ縮尺の北海道の地図を本州に合わせてみると、「函館―知床」はだいたい「和歌山―東京」、「札幌―知床」は「京都―東京」くらいの位置関係で、1回の旅行ですべてを巡るのは現実的でないことがわかる。
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