社長は「クセが強くてコミュ障」が向いているのか 「特殊的好奇心が強い人」は周囲に合わせるのが苦手
一方で、特殊的好奇心が強い人は、ある特定の情報への強い関心、既知となった情報の深掘り、特定の目的達成への問題解決手段を導くことに楽しさを感じます。広く浅く、無難に全体最適をおこなう必要がある集団に属することが苦手です。
このことから、拡散的好奇心が強い人は、周囲にあわせた生き方、つまり従業員や部課長に向いています。対して特殊的好奇心が強い人は、周囲にあわせず型にはまらない社長や、フリーランスのような自立した生き方が向いているのです。
また、特殊的好奇心が強い人は、不明瞭なことや、自らが理解できないことを明確にするまで追求しないと気が済みません。得た知識や情報を自分なりに整理して理解することを好みます。周囲の事情でかき乱されず、自らの納得する形で整理、保有し続けて向きあいたい傾向があります。
これは少し古い言葉だと「オタク気質」というものですが、僕は「クセつよ(クセが強い)」と呼んでいます。これらが、社長や個人事業者、フリーランスになる人が「クセつよ」で「コミュ障」の傾向が強い理由といえるでしょう。
社長の集団にも重要な「心理的安全性」
Googleが、2012年から2015年までの4年間におこなった「プロジェクトアリストテレス」という生産性向上の研究プロジェクトがあります。エンジニア以外にも社会学や心理学、統計学などの専門家を集め、極めて精緻に集団における生産性について研究されたものです。
これによれば、組織や集団の生産性向上には「心理的安全性」というものが最重要と結論づけられました。この心理的安全性は、集団の中でどんな意見でも主張でき、互いの個性を尊重しあえる状態をいいます。
「いやいや、特殊的好奇心が強く、自立した生き方を求めている社長に、集団での生産性向上なんて、関係ないでしょ」なんて思われるでしょうか。人が集まった際の心理的安全性がもたらす効果は、次のようなものがあるとされています。
・ストレス軽減やメンタルヘルスケア
・個々のパフォーマンス(性能・成果・効率)の向上
・メンバー間の情報交換量増加による個々の知識量アップ
・集団的思考の改善
・多様な価値観によるイノベーションの創出
いかがでしょうか。これらの多くは、社長が交流会などに参加する動機とリンクするのです。
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