法律も無意味「女性が出世できない国、ニッポン」 ジェンダーギャップ指数125位も驚きはない
さらに、女性はキャリアアップと家庭生活の二者択一を迫られることが多い。2014年の調査によると、男性管理職の81%に子供がいたが、女性管理職はわずか37%だった。これは違法である「マタニティ・ハラスメント」によるところもあるが、多くの場合、子育ての責任から、多くの女性、特に育児に協力してくれる人がいない女性にとって、管理職に必要な時間を費やすことが難しいからにほかならない。この問題を改善しようとしているのは、一部の企業だけである。
もし政府が女性管理職を増やしたい、賃金を平等にしたいと考えているなら、まずは賃金や昇進に関する男女差別を違法とする法律を施行することだ。そして、昇進の平等は問題の一部に過ぎない。
職業や学歴など他の要素が同じでも、女性の賃金は低い。大卒の男女は、20~24歳でほぼ同じ賃金からスタートする。男性が50~54歳になる頃には給与はほぼ3倍になっているが、女性の給与は2倍にとどまっている。
賃金の平等性では75位
冒頭の「ジェンダーギャップ報告書」によると、政府や企業における指導的役割で日本は146カ国中、133位、同様の仕事に対する賃金の平等性で75位(2020年の67位よりさらに悪い)だった。
女性の給与が低いということは、女性が起業するときにその会社に投資する資金が少なくなるということで、これにより女性が設立した会社は小規模になる可能性が高く、従って成功する可能性も低くなる。つまり、女性の起業家が圧倒的に少ないのだ。それ以上に、銀行は女性への融資にさらに消極的だ。女性が経営する新興企業で銀行融資を受けたのはわずか12%だったのに対し、男性は26%だった。
このような「差別」はすべて、日本の労働基準法とは相反するものであり、その文言は極めて明確である。「使用者は、労働者 が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない」。
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