法律も無意味「女性が出世できない国、ニッポン」 ジェンダーギャップ指数125位も驚きはない
今のところ、「空約束」は日本にとってではないにせよ、岸田首相にとってはうまくいっている。同首相の世論調査の評価は一進一退ではあるが、政権を維持するのに十分なほど高い。だから、岸田首相には政策を変える動機がほとんどないのだ。
企業におけるジェンダー平等が前進していることを疑う人はいないだろうが、そのペースは氷河期のようなものだ。20年前、女性が役職に就く割合はわずか8%だった。これは管理職のハシゴの1段目であり、ほぼすべての男性が到達するポストである。
2019年には、女性の割合は19%にまで上昇した(入手可能な最新のデータによれば)。同じ期間に、課長の女性比率は3.6%から11%に上昇し、部長では1.8%から6.9%へ、経営幹部ではほぼゼロから6.2%へと上昇している(下図参照)。
管理職から花形ポストに就く女性はわずか
管理職になった女性は、かなり遅い時期に管理職になる。規模の大きな企業では、管理職に就いてから5年以内に男性の14%が花形ポストに就いているが、女性はわずか1%である。
20年目には、男性の3分の1が課長以上のレベルに達しているが、女性はわずか8%にとどまる。これでは、将来昇進する機会が限られてしまう(下図を参照)。部長ポストにさえ到達する女性が少ないというのに、どうやって女性幹部の比率を30%に引き上げようというのだろうか。
数字をよく見せようとする多くの企業は、女性に管理職の肩書は与えるが、通常それに付随する権限や経験は与えない。専修大学経営学部の根本宮美子教授は2016年の著書『Too Few Women at the Top: The Persistence of Inequality in Japan』の中で、ある銀行の投資銀行部門の38歳の男性次長を引き合いに出し、職場で組織的な実権を持つ女性管理職をあまり見かけないと報告している。
「彼女たちの多くは、役職は与えられているが、管理する部下がいない」。大企業では、女性幹部とされる人たちの何割が実権を握っているのだろうかと疑問に思う。
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