「推しの魅力を伝えたい」オタクに一番大切なこと 大事なのは「自分だけの感情」をいかに表現するか
書評家って、常に推しの本を見つけ、それについて書く仕事なので……さすがにいろいろと技術のネタが溜まってきました。
たとえば、私は推しへのファンレターを書くネタに困ったことがありません。
……お前もファンレター書くのかよ! と、あなたは今ずっこけたかもしれませんが、ええ、書きます。仕事ではなく単純に趣味で贔屓に書きます。
同じジャンルを好きな友人と話していたときに、自分がファンレターのネタに困ったことがないことに気がついたんですよね。職業柄、鑑賞する対象の魅力について書く訓練をしすぎて、それが自然とファンレターを書く技術になっているのかもしれない……。
さて、いよいよ実際に「推しの語り方」について考えていきましょう。
感想は「自分だけの感情」が一番大切!
ずばり! 推しを語るときに一番大切なこと。結論から言ってしまいますが、それは「自分だけの感情」です。
——自分だけの感情? 感じたままの、ありのままの感想を語るってこと?
こんなふうに思われた人がいるかもしれませんが、それはちょっと違います。自分だけの感想を語ることって、簡単にできるようで難しいことなんです。
というのも、「自分だけの感想」とは、「他人や周囲が言っていることではなく、自分オリジナルの感想を言葉にすること」だから。
たとえば、創作にはオリジナリティが重要だと言う人がいます。これは本当にその通りで、自分の作品と同じ作品がもうあるなら、重複して世にだす意味はほとんどないんです。だって既にありますからね。
推しを語ることも同じです。誰かがつくった言葉や誰かが広めた感情ではなく、自分だけが感じていることを伝えるのが、なによりも大切。それを伝えることこそが、あなたが推しを語る意味になる。この世にまだない感想を生みだす意味になる。
「なんだ、自分の感想をそのまま言葉にしたらいいの? 簡単じゃん」と思われるかもしれません。でもこれって、意外と難しいんですよ。
なぜなら人間は、なにも考えずにいたら、世の中に既にある「ありきたりな言葉」を使ってしまう生き物だからです。
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