「推しの魅力を伝えたい」オタクに一番大切なこと 大事なのは「自分だけの感情」をいかに表現するか

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ファンレターにもSNSにも応用できる「推し語りのために必要な技術」とは(写真:USSIE/PIXTA)
「推しの魅力を語りたい。誰かに伝えたい……」
オタク活動をしていると、一度は抱くこの感情。しかし、尊さのあまり、「やばい」しか言えなくなる人も少なくないのではないでしょうか。
”推し語りのプロ”を自認する書評家・三宅香帆さんは「推しを語るためには、語彙力や文章力が必要だと思われがちですが、それは間違いです。必要なのは、自分の感想を言葉にする『ちょっとしたコツ』。そのコツさえ知れば、あなただけの言葉で推しの素晴らしさを語れるようになります」と語ります。
本稿では三宅さんの書籍『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない―自分の言葉でつくるオタク文章術』より、一部抜粋してお届けします。

どうやって推しについて語ればいいのか

推しという言葉は、昨今いろんな対象に使うようになりましたよね。応援しているアイドル、歌手、俳優、声優、VTuber があなたの推しかもしれないし、アニメや本や映画や漫画やゲームといったコンテンツ、あるいは大好きなスポーツや釣りやチェスといった趣味そのものかもしれない。もしくは、誰かに広めたい商品や習慣も入るかもしれません。

これまでも「ファン」や「贔屓」といった言葉はありましたが、「推し」という言葉の特徴は、「推薦したい」、つまりは誰かに薦めたい、という感情が入っていること。単にこの対象を好きなだけじゃなくて「他人に紹介したい!」「魅力を言葉にしてその素晴らしさを分析したい!」という欲望を持つことが、推しの条件なのかもしれません。

しかし、どうやって推しについて語ればいいのか。

これだけ推しという言葉は流行っているのに、その語り方については、誰も教えてくれません。いや、もちろん好きなように語ればいいんですよ。思ったままに、好きな人やものの魅力をしゃべればいい。そりゃそうなんですが、一方で「誰か語り方を教えてくれよ」という気持ちになるのも正直なところです。

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