「推しが尊い」早口になる人に欠けた大事な視点 推しの魅力を伝える前に確かめるべき事がある
たとえば、アニメ映画のラストシーンの展開のすごさについて語りたいなら、映画のあらすじは説明すべきだけど、声優については言及しなくていいな、とか。推しのミュージシャンの最新曲についてしゃべりたいから、とりあえず一番有名な曲の名前だけ挙げて「あー、あのグループか」と思い当たってもらおうかな、とか。
逆算して情報の取捨選択をする。これが補足情報や基礎知識を説明するときのコツです。
相手の興味の「ある」「なし」に合わせるパターン
◎「相手の興味ある枠に合わせた譲歩」パターン
相手の「知りたい」「わかりたい」「興味がある」枠に、自分の伝えたいものを入れてみる方法もあります。
・ダンスのうまいK‐POPアイドルが好きな友人に「日本にもすごい踊れて歌えるアイドルがいるんだよ、ほら見て」と紹介してみる
・野球が好きな友人に「ずっと阪神タイガースファンだった芸人さんが、最近ここの試合を見て、はじめてサッカーにはまったってYouTubeで言ってたの!」と導入する
・中学校の教師をしている友人に「今10代にすごい人気の声優がいるんだけど、知ってる?」と聞いてみる
相手の興味に合わせた導入になると、自分の伝えたいことにも興味を持ってもらいやすい。
これは「譲歩」──相手に合わせてこちらが一歩歩み寄る方法です。うまくいけば、相手がまったく興味のなかったジャンルにも関心を寄せてもらえるので、私はよく使います。
譲歩のパターンを使う際も、結局は「相手がどんなことに興味を持っているのか」「どこに興味を持っていないのか」という自分とのスタンスの違い、つまりは自分と相手の間にある情報格差の程度をわかっておくべきです。
◎「相手の興味のなさに言及」パターン
これは、まったく相手が推しに興味なさそう、全然こっちを向いてなさそうだ! と思うときに使う手段。推しについて興味のない友人にしゃべるとき、あるいは講演会やセミナーなど見知らぬ人々の前で話すときにおすすめです。
・「あなたは全然興味ないと思うんだけど、とある声優に突然ハマっちゃってさぁ」
・「皆さん、会社の研修とはいえ突然こんな話を聞かされて、眠いと思うんですが……ちょっとしゃべらせてくださいね」
・「あなたがまったく触れたことがない世界であろうジャンルについて話しますが」
とにかく「あなたが興味ないことはわかっていますよ〜」というサインを最初にだしましょう。人間、興味のない話だったとしても、案外目の前の人が「興味ないってわかっているけど、まあ聞いてよ」と語りかけてきたら聞いちゃうもんです。
なによりも「あなたのことに、私は興味がありますよ」という意志を伝えることが重要です。あなたに興味があるからこそ、このジャンルにあなたが興味を持っていないことがわかるんだよ。そんな気持ちを少しだすだけで、聞く耳を持つ気になるものです。
まあ、もちろんそんなクッションを挟んだところで、聞いてもらえないときは聞いてもらえないんですけどね。それでも、やるとやらないでは大違いです。
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