「推しが尊い」早口になる人に欠けた大事な視点 推しの魅力を伝える前に確かめるべき事がある

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もちろん①を説明せずに、いきなり②をぶつけるドライブ感──つまりあなたの語りの勢いのよさも、言葉の魅力にはなりうるでしょう。俗に言う「オタクの早口口調が面白い」って、結局は①のフェーズを無視するからこそ、「おいおい、前提をなにもしゃべらずにいきなり②にいくのかよ!」という常識外れのよさがあるわけです。

……が、それが面白くなるには、②の語りの切れ味がかなり鋭くないといけません。あるいは、①を飛ばして②だけで通用するほど、自分と相手との情報格差がない状態であればいい。

しかし大抵の場合には、自分と相手には情報格差があります。そういう場合は、「①をまずは伝えるのだ!」という意識を持つべきです。イメージとしては、「相手の情報量を自分の情報量の場所まで引っ張り上げて、そのうえで伝えたいところまで連れて行く」という感じです。

自分と相手の間にまず溝があることに気づきましょう。

大抵の場合、見てきたコンテンツも重ねてきた経験も異なります。その相手に、どこまで自分の伝えたいことをわかってもらうか。それこそが、あなたがやろうとしていることなのです。

情報格差を埋める3つのパターン

さて、「フェーズ①の情報格差を埋める」ときにやるべきことは、いろいろあります。いくつかパターンを挙げてみましょう。

◎「相手の知らない情報を補足」パターン

自分と相手の間で、推しに関する情報量が異なっているとき。推しに関する基礎情報や、自分がしゃべりたいことについての補足情報が必要になるパターンです。

【具体例】
・「そもそも宝塚歌劇団っていうのは、トップ娘役がいてね」
・「私はヤクルトスワローズを応援しているんだけど、どこを拠点にした球団かというと」
・「こないだ見た映画のあらすじをかいつまんで説明すると」

ここで注意すべきは、どこまで細かく情報を伝えるか、という点。

情報格差を埋めるフェーズ①の情報量が多すぎると、相手はそれだけで疲弊してしまい、本当に伝えたいフェーズ②まで辿り着きません。だって、興味のない映画のあらすじをずっと紹介されても「そ、そんな映画があったんだね?」と苦笑されるだけで終わってしまいます。

しかし、基礎情報が少なすぎても、フェーズ②でなにを言っているのか、よくわからなくなる。どのくらいの情報を伝えるか、その塩梅はとても難しいのです。

では、どうするか。

フェーズ②で伝えたいことをわかってもらうために必要な情報だけをフェーズ①で伝えることに注力しましょう。

つまり、フェーズ②の説明をわかってもらうためには、フェーズ①でなにを知っておいてもらうべきなんだろうか? と逆算するのです。

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