やる気がなくなる職場に足りていない2つの要素 今と昔で異なる「リーダーシップ」の捉え方

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心理的安全性とは?

ひと昔前は存在しない概念でしたが、近年はこの言葉を見聞きしたことがある人も多いのではないでしょうか。心理的安全性(psychological safety)とは、1999年に登場した心理学の用語で、会社やチーム全体の成果に向けた率直な意見、感想、質問などを、自由にいつでも発することができる心の在り方のことです。

「話を遮り会話ができない管理職」と「職場メンバーの話を必ず手を止めて聞き、受け止めてくれる管理職」

「昇格降格をちらつかせる上司」と「常に期待をかけてくれる上司」

「陰口が横行するチーム」と「お互いの仕事ぶりを心から称え合うチーム」

それぞれどちらが働きたくなる職場、生産性の高い職場であるかは一考に値します。一方で、心理的安全性の低い職場も存在します。そのような職場はやる気がなくなる職場になる要因のひとつです。あなたの職場はどうでしょうか。心理的安全性を高い状態で担保することが、やる気を維持する2つ目のポイントです。

カリスマ性があるリーダーシップの是と非

時代の移り変わりとともに捉え方が変化したものを挙げておきましょう。それは職場におけるカリスマ的な「リーダーシップ」です。大量生産かつ大量消費の時代、カリスマ性のあるリーダーシップが指し示す明確な方向性に向けて、全従業員が一丸となって働くことができる職場は、理に適っていました。

しかし、社会はより成熟して物質的に豊かになった現代では、生き方や存在価値などを重視する人が増え、多様性が重んじられるようになりました。「ダイバーシティ」「働き方改革」といった考え方も登場し、広く浸透し始めます。

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そのような時代になると「強力なカリスマが強力なリーダーシップを発揮して会社を率いて収益を上げていく」というスタイルに綻びが出始めます。

そして令和の時代になると「リーダーの牽引力でビジネスを成長させる」という考え方に代わる、新たなリーダー像が支持を得るようになりました。求められるリーダー像として「周囲を巻きこみ、行動を促す新たなリーダーシップ」が、重視されるようになっていきます。

かつてのよい職場を形容する言葉として「統制が取れている」「上意下達」などのフレーズがあります。上意下達とはここでは「経営・管理者の命令や意図が、従業員によく伝わること」などという意味です。

もちろんそれは、現代でも大切なことなのですが、それだけでは不十分です。働きがいの観点から見ると、一方的なリーダーシップではなく、双方向の信頼関係が強固であることがリーダーシップの有効性を決定付けていきます。

荒川 陽子 Great Place To Work ® Institute Japan社長

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あらかわ ようこ / Youko Arakawa

Great Place To Work® Institute Japan 代表(株式会社働きがいのある会社研究所 代表取締役社長)。2003年HRR株式会社(現 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)入社。営業職として中小~大手企業までを幅広く担当。顧客企業が抱える人・組織課題に対するソリューション提案を担う。2012年から管理職として営業組織をマネジメントしつつ、2015年には同社の組織行動研究所を兼務し、女性活躍推進テーマの研究を行う。2020年より現職。

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