やる気がなくなる職場に足りていない2つの要素 今と昔で異なる「リーダーシップ」の捉え方
2020年代の今「DX」「ESG」「SDGs」など、さまざまな事象への対応が企業には求められています。職場において一体感・連帯感、仕事への誇りなどは引き続き重要です。
ただし、その育み方は大きく変わってきています。多様な価値観を持つ人たちと連帯感を紡いでいくことは、誰にとってもチャレンジであるのは間違いありません。会社も、個人も、変化の対応力を身に付けることは必須です。そのうえで、今までとは異なる育み方で働きがいを追求していくことが大切なのです。
いま求められる「貢献実感」と「心理的安全性」
日本経済が成長期にあった時代、1つの会社に定年まで勤めるということは一般的でした。さらに、「生活・家庭のために働く」ことは多くの人が共有していた価値観でした。
時代が進み、高度に情報化された社会へと世の中が移り変わっていくと、労働観にも変化が現れます。
「世のため、人のためになる仕事をしたい」
「チームの中で自分らしく働きながら成果を出したい」
1つ目は「貢献実感」、2つ目は「心理的安全性」に関する欲求です。1990年から30年あまりで「生活・家庭のため」から「周囲への貢献のため」や「よりよい生き方のため」へ、人の働くことに対する目的意識は大きく変化してきているのです。時代の潮流を見逃すと「かつて活躍した職場」が、今では「やる気がなくなる職場」になっているかもしれません。そうならないよう、特に大切な2つの要素を詳しく見ていきましょう。
貢献実感とは、自分の仕事が誰かの役に立っている実感のことです。自分が行ったことが褒められも叱られもせず、人の役に立っていないと感じると不安になる――、それは貢献実感にかかわる不安です。
たとえば「自分が売っているサービスが、お客様のためになっていない」「雑務ばかりで会社・職場に役立っているかわからない」などです。確かに時間を費やして一生懸命に行ったことが無意味なことだったら、その仕事のやる気は上がるはずがありません。
仕事を通じて何に貢献したいかは人によって異なります。先輩や同僚、職場や会社、さらにお客様や広く日本のため、人類進歩のため、地球のためといったことも貢献実感の対象になります。
特に若い世代は、仕事における貢献実感を重視する傾向にあります。そのことをしっかりと認識し、職場における貢献実感にはどのようなものがあるのかを明確にしておくことが、やる気を維持する1つ目のポイントとなります。
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