やる気がなくなる職場に足りていない2つの要素 今と昔で異なる「リーダーシップ」の捉え方

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「ばりばり職場」は時代遅れに(写真:takeuchi masato/PIXTA)
社員が働きやすい職場の形は時代によって変わります。従業員意識調査を行うGreat Place To Work®Institute Japanによると、特にいま求められるのが「貢献実感」と「心理的安全性」の2つの要素だそう。本稿は『働きたくなる職場のつくり方』 より、働きやすい会社の条件や新しい時代の新しいリーダー像についてお伝えします。

「モーレツ社員」が称賛されていた時代

「仕事とは、世の中の人の役に立つことで、ありたい自分になれる活動のこと」。この自己実現こそ、仕事の本質であると考えます。世の中が変われば職場に求められることも変わります。世の中が変わっているにもかかわらず、職場も人の意識も変わらなければズレが生じます。そのズレが「やる気がなくなる職場」を生むきっかけになっているのです。

日本経済が高度成長をひた走っていた1970年代には「モーレツ社員」、1980年代後半のバブル景気には「24時間戦えますか」といったキャッチコピーが流行するなど、長時間働くことがわかりやすく成果に繋がるような時代でした。かつての職場は、やりがいはあっても働きやすさに乏しい、「ばりばり職場」であったのだと考えられます。

バブルが崩壊して年功序列から「成果主義」へと時代は移り変わりますが、2000年代後半になると「行き過ぎた成果主義」の反動のような社会問題が噴出します。製造業の一流メーカーが各種データを偽装、改ざん、捏造したり、品質をめぐる不正が明るみに出ることになります。結果的に大規模リコールが発生し、世間を騒がせたのは記憶に新しいことでしょう。

こうしてかつて日本企業の強みであった職場の一体感・連帯感が低下し、会社や仕事への誇りが揺らいでいったことで、かつては働きがいを感じることのできた「ばりばり職場」が、やりがいも働きやすさも低い「しょんぼり職場」になってしまったのです。

それらの流れを経て「職場でオープンにものを言い合える関係性を築こう」という機運が高まり、職場での従業員同士の関係性、上司と部下の関係性に注目が集まるようになりました。

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