日経平均株価、大台3万円超えの先の先を読む 続伸か暴落か、ストラテジスト2人が大胆予想
米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の日本株に対するポジティブな見方も、海外投資家の呼び水となった可能性がある。海外投資家が日本株を見直しているのには、東証によるPBR改善要請を受けて日本企業が大きく変貌する兆しを鋭く嗅ぎ取っているという理由もある。実際に、ROEの数値目標を掲げたり、増配や自己株買いなどの株主還元策を発表したりする企業が相次いでいる。
日本のマクロ環境も良好だ。消費が緩やかに回復し、インバウンドもさらに期待できる。
日経平均の予想PERはまだ14倍台。確かに過去1年でみれば14倍台は高いが、アベノミクス相場開始の2013年からの過去10年では平均PERは15倍強だ。円安効果を考えれば業績の上振れ余地は十分にある。日経平均の予想EPS(1株当たり利益)は現状の2180円から1割上方修正されて、年後半には2400円に達するだろう。それをPERの過去平均15倍で評価すれば、日経平均は年末には3万6000円に上昇すると予想する。
ただし、リスクは国内よりも海外だろう。とくに米国は景気減速の懸念が高まっている。また米株価は割高水準で、調整が起こる可能性がある。日本株相場のリスクは、米株の調整に巻き込まれるリスクオフ(投資家のリスク回避で株から安全資産に資金が移動)である。
上昇理由はいずれも怪しい 夏場に2万7000円へ下落も
日本株、というよりも日経平均株価は直近では買われすぎだ。
その理由はPER(株価収益率)などで見た企業価値評価によるものではない。今、市場では①円安②欧米との金融政策の差③米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の日本株買い増し効果④東京証券取引所の要請による低PBR是正期待の4つが上昇理由とされているが、ことごとく怪しいからだ。