今回の「日本株大相場」はまだまだ先がありそうだ 今の雰囲気は1988年の秋ごろにかなり似ている

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1988年10月時の東京都庁建設の風景(1990年2月竣工)。今の相場の雰囲気は、この頃に似ているという(写真:Fujifotos/アフロ)

市場関係者が注目していた5月26日のアメリカ株の結果は、NY(ニューヨーク)ダウが前日比328.69ドル高の3万3093.34ドルと、6営業日ぶりに反発。一方、ナスダック総合指数は同277.60ポイント高の1万2975.69ポイントとなり、再び年初来高値を更新した。

上昇の理由は、すでにこの時点で同国の債務上限問題について「与野党が2年間の上限引き上げで近く合意する見通しだ」と報じられていたことで、市場に安心感が広がったためだ。

だが、むしろ特筆すべきは、このNY株の立ち合いを前にして、予想以上の強さを示していた日本株だろう。26日の日経平均株価は3万0916円で引けたが、NY株高を受けたシカゴの先物市場では、3万1500円台と値を飛ばしている。

外国人投資家の目線が完全に変わった

今回の本欄は、前回が「日経平均が3万円を超えたら次の目標はいくらか」だったので「前回分の補足や、その続き」を書くのがいいかもしれない。

やはり、4月以降の日本に対する外国人投資家の目線は完全に変わった。非居住者の対内証券売買契約(財務省ベース、外国人)は4月月間で4兆9760億円を買い越し、5月に入っても20日まで2兆0495億円の買い越しとなっている。東京証券取引所ベースの外国人投資家の状況も、やはり4月第1週から5月第3週までで3兆6248億円の大量買い越しだ。

その結果、日経平均は3月末の2万8041円から、途中の8連騰を含む上昇によって、5月22日には3万1086円と年初来高値を更新した。先週末の引けは3万0916円だが、上記のとおり、先物は3万1500円台と上放れている。

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