今回の「日本株大相場」はまだまだ先がありそうだ 今の雰囲気は1988年の秋ごろにかなり似ている

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

海外ファンドが日本株の組み入れ比率を上げたのは一目瞭然だが、今回のような場合、彼らはまず、わかりやすい代表的大型株や値ガサ株、あるいはETF(上場投資信託)を買う。もちろん、先行して指数先物も買うわけだが、一定量の組み入れ比率になるまで機械的に買いは継続される。

これに対して、日本の個人投資家はいつもの逆張り戦法で対抗し、取引所ベースでは4月第1週から直近までは2兆0897億円の売り越しとなっている。これは、東証プライム市場の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比較において、直近4連続で値下がり銘柄数が多いことにも現れている。

したがって、上昇ピッチの速さに戸惑って、思ったほど買えていない「自称強気派」、逃げ場を失って青くなっている「弱気派」が多い兜町は、実は意外に盛り上がっていない。指数だけが上がるため、個別株を紹介する業界誌の定期購読者が増えていないところも少なくないそうだ。

「1988年相場の経験者」の実感を伝えたい

しかし筆者は、これは「相場が終わっていないことを証明する事象」というよりも、むしろ「大きな相場が始まった」事象だと思っている。

実は、このところの相場の足取りは1988年の後半に似ている。この年は前年に起きた「ブラックマンデー」の後遺症で、日経平均は高値から約4000円下げて2万2000円で始まった。その後は2万8000円台まで急騰したあと、半年近くモミ合った。

この年の9月に日経平均とTOPIX(東証株価指数)の先物取引が始まったが、われわれの期待に反して、先物は利益確定売りのツールに使われ、日経平均は2万6000円台まで下げた。

次ページ当時は円高メリット、今回は円安メリット
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事