居酒屋チェーン改め「焼肉の和民」の意外な強み 酒類含めほとんどのメニューが「429円均一」
コロナ禍に突入した2020年、居酒屋チェーンの「和民」がいきなり「焼肉の和民」の看板を掲げ始めた。
当初は驚いたものの、アルコール業態のみならずファミレスなどにおいても業態転換をするチェーンは珍しくなかったため、和民もその例に倣ったのだろうと思われた。実際、和民など居酒屋120店舗を焼肉業態に転換するとの発表もあり、和民の焼肉化は「コロナ対策」の色合いが濃かったのである。
世界展開を見据えた計画
和民に焼肉のイメージはまったくなかったため、筆者はこれまで足を運んだことはなかった。
しかしこのところ、焼肉店として初めて導入された特急レーン(注文した料理が自動で届く仕組み)や配膳ロボット、ほぼ429円統一メニューやデザートまで含めた食べ放題、ドリンク218円のちょい飲みキャンペーンなどを展開、大きく投資し「飲める焼肉店」としての特徴を打ち出してきている焼肉の和民。
実はコロナ対策のために付け焼き刃で始めた業態などではなく、「世界展開」を見据えた計画のもとに展開されてきたチェーンだったらしい。
今回、初めて「焼肉の和民」を訪ね、焼肉チェーンとしての可能性を測った。
まず、企業としての概要に触れておこう。ワタミグループは外食・宅配食・環境・農業などを展開する企業。総合居酒屋スタイルの「和民」は2017年の3月時点で137店舗あったが、市場では専門店への需要が高まっており、同グループでも「ミライザカ」や「鳥メロ」などへの転換を推進。2020年期末までに居酒屋としての和民は0店舗になった。
「魚民」などと並んで総合居酒屋の代表的なブランドだった和民は、いつの間にかなくなっていたのだ。
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