「美味しい店」ChatGPTから"正解"を引き出すコツ 「生成AI」で生まれた仕事、激変する産業

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引き続き「東京で評判の天ぷら屋さんトップ5」の例で見ていきましょう。

世の中には、レストランの店舗情報を集めたさまざまなサービスがあります。そこに蓄積されているデータは正しいと見ていいでしょう。「ありもしない架空の店」なんて、まず載っていません。

だとしたら、先ほど挙げたような「ジェネレーティブAIが生成したうそ交じりの答え」に、「正しいデータ」が蓄積されたサービスのフィルターをかけた「正式な答え」を提示されるようにすれば、うそを排除することができます。

ChatGPTが参照できるのは「公開されている情報」だけ

世の中には、個人(もしくは企業)の個別のデータを多くもっているサービスが、すでにたくさんあります。それが何らかのかたちでAIと合わさることで、より顧客満足度を高めていくという「データ×ジェネレーティブAI」のビジネスモデルが、今後、増えていくと予想できるのです。

もう1つ、先ほどよりも少し複雑な例を挙げましょう。

たとえば、僕が「今日の夕食は外食したい。自宅から徒歩10分以内、値段は5000円以下で、おいしい料理とお酒を楽しめるレストランの候補を出して」とChatGPTに入力したとします。希望する条件は「今日の夕食」「自宅から徒歩10分以内」「5000円以下」「おいしい料理とお酒」ですが、これだと、おそらく僕は満足できる答えを得られないでしょう。

まず、「今日の夕食」というのは「ディナー営業をしているレストランのデータ」を参照すればいいのでクリア。しかし、ChatGPTは、僕の「自宅」がどこにあるのかを知りません。ただし、これは僕の位置情報へのアクセスのパーミッションを与えることで「現在地」に自動的に置き換えてくれる可能性はあります。

次の「5000円以下」は「営業時間」と同様、客観的・定量的な条件なのでクリアできるとして、次の「おいしい料理とお酒」となると、もうお手上げです。まだ僕と出会ったばかりのChatGPTは、僕がどんな料理やお酒を「おいしい」と感じるのか──つまり僕の「好み」を知りようがないからです。

でも、ChatGPTは、何とか答えを出そうとします。

膨大なデータに基づいて答えを出すといっても、ChatGPTが参照できるのは「公開されている情報」だけです。となると、僕が入力した条件を、おそらく「ディナー営業をしているレストラン」「現在の位置情報から徒歩10分」「5000円以下」「レビューの評価が高い」などと、「公開されている情報で応えられる条件」に解釈し、答えを提示するでしょう。

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