「美味しい店」ChatGPTから"正解"を引き出すコツ 「生成AI」で生まれた仕事、激変する産業

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「生成AI」出現によって激変したビジネスモデルを、飲食店の検索を例に紹介します(写真:west/PIXTA)
ChatGPT、Midjourney、Stable Diffusionなどの「生成AI」に注目が集まり、空前のAIブームが到来している。「生成AI」の出現がもたらす影響はあらゆる領域に及んでおり、私たちの働き方やビジネスモデルも激変しつつある、とは、株式会社デジタルガレージ共同創業者で、自身も次世代AIの研究に取り組む伊藤穰一氏の言だ。伊藤氏の新刊『AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方』から、「生成AI」によって新たに生まれた仕事、激変したビジネスモデルなどについて語ってもらった。

独自データ&ジェネレーティブAIで起きている構造変化

ジェネレーティブAI用語解説)は、既存のビジネスモデルにも変革をもたらそうとしています。

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データを参照して答えを導き出すのがジェネレーティブAIなので、データの蓄積がない、あるいは不十分だと、いくらユーザーが上手なプロンプトを入力しても、答えの精度は下がってしまいます。

たとえばChatGPTは、物事の「構造」を理解したうえで答えを導き出すのではなく、膨大なデータをパターン認識して、「それらしい答え」を出すようにできています。

そのため、ときには関連性のない「事実A」と「事実B」を勝手に結びつけて、ありもしない「事実C」を捏造し、「もっともらしい答え」を提示することがある。「事実Aと事実Bがあるなら、こういう事実Cもあるはず」と勝手にパターン化して、臆測でものをいうという感じです。

さて、そんなChatGPTに、たとえば「東京で評判の天ぷら屋さんトップ5を出して」と指示したとしましょう。非常に簡単な問いかと思いきや、ChatGPT-3.5だと、たいていの場合、1つはうそが交ざっていました。たとえば「実在しない店」が入っている、というように。

旧版のChatGPT-3.5よりも格段にデータ蓄積量の多いChatGPT-4だと、こうした間違いは激減するのですが、ともあれ、パターン認識で答えを出すジェネレーティブAIには「ときどき勝手にパターンをつくって誤った答えを出す」という大きな難点がある。しかし実はそこに、新たなビジネスモデルの可能性があります。

次ページ「データ×ジェネレーティブAI」のビジネスモデル
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