「ワインでの乾杯」みんなやらかしがちなNGマナー 結婚披露宴で知っておきたい和食、洋食、お酒のこと

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正式な陰陽五行説の順序はあるものの、現代ではお造りを食べるときは、「あっさり→こってり」と覚えておくのが一番無難です。

(画像:『世界のビジネスエリートが身につけている教養としてのテーブルマナー』より)

白身魚のような淡白な味わいのものから始め、青魚やマグロの赤身、トロなどは後にするイメージで食べていくと、先に食べたものの味が後に食べるものの味を邪魔せず、すべてをおいしく食べられるのです。

「ワサビは刺身に直に乗せるもの」と思い込んでいる人は多いようですが、ワサビを醤油に溶くのもマナー違反ではありません。ただ、いったん溶いてしまうと醤油がワサビ風味一色になるので、私のおすすめは、どちらかというと刺身にワサビを乗せる食べ方です。こうしたほうが、魚の種類によってワサビをつけるかどうか、どれくらいつけるかを自分で加減できるので、最後まで醤油の香りを楽しみつつ、お造りをおいしく食べられるでしょう。

尾頭付きの魚はハードルが高いと感じている人は多いと思いますが、怖がる必要はありません。最大のポイントは「魚の構造」に従って食べていくこと。まずエラの脇にお箸を入れ、頭側から尾側へと順に食べていくと、きれいに身が取れます。

片手をお皿のように添えて食べている人を、よく見かけます。なぜ、そうしたくなるのかというと、お箸から食べものが落ちてしまいそうな気がするからでしょう。だとしたら、「私はお箸から食べものが落ちるような食べ方しかできないんです」と表明しているのと同じことです。

(画像:『世界のビジネスエリートが身につけている教養としてのテーブルマナー』より)

解決策は簡単です。「お箸で持てる量」「自分の一口に入る量」を、ちゃんとわかっておくこと。そうすれば、適量を箸で取り、一口で食べることができます。手で持てる器ならば、背筋を伸ばしたまま器を胸元まで持ち上げ、適量を取って食べましょう。

テーブルマナーとは「心の表現」であって「目的」ではありません。「おめでとう」の気持ちを大事に、周りに気を配り、会話を楽しむことが、婚礼料理をいただく際の1番大事なマナーになるでしょう。

世界のビジネスエリートが身につけている教養としてのテーブルマナー
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小倉 朋子 フードプロデューサー。亜細亜大学・東京成徳大学非常勤講師。

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おぐら ともこ / Tomoko Ogura

トータルフード代表取締役。フードプロデューサー。亜細亜大学・東京成徳大学非常勤講師。トヨタ自動車、国際会議ディレクター、海外留学などを経て、「ようやく天職に」と食に一本化。世界各国のテーブルマナーと食を学びつつ、生き方を整える「食輝塾」主宰。飲食店や企業のメニュー開発のほか、各種食関連委員を務め、あらゆる食のトレンドに精通する「食のスペシャリス」ト。テレビ、ラジオにも多数出演。日本箸文化協会代表。 著書に『世界一美しい食べ方のマナー』(高橋書店)、『世界のビジネスエリートが身につけている教養としてのテーブルマナー』(SBクリエイティブ)ほか多数。

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