「ワインでの乾杯」みんなやらかしがちなNGマナー 結婚披露宴で知っておきたい和食、洋食、お酒のこと

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ワイングラスは繊細です。乾杯ではグラスをカチンと合わせず、自分の胸の高さくらいまで軽く持ち上げるのが正式です。乾杯は、「食べましょう」の合図ではなく、心の表現です。相手とちゃんと目を合わせ、ニッコリ笑ってグラスを持ち上げる。こうして「おめでとう」「集まれてうれしい」などの気持ちを通わせることを一番に考えてください。

場合によっては、グラスを鳴らそうとグイグイ差し出してくる人もいるかもしれません。そこで頑なに拒否するのは無粋というもの。グラスを傷つけないように気をつけながら、そっと合わせればよいでしょう。

フランス料理は「ソースを楽しむ料理」ともいわれます。それだけに、ソースを堪能するのも、フランス料理のマナーの1つです。ここで重要なのは「戦略」です。肉や魚を食べ終えたときにソースがたっぷり残っていた……ということにならないよう、お皿の全体を見渡し、ソースの量を勘定に入れつつ、一切れごとに絡めながら食べていきましょう。ただ、その一点に集中するあまり、会話がおろそかにならないよう注意してください。

折衷料理の次に選ばれている「日本料理」のマナー

食べものは元々は命のあった神様の食事であり、お箸は、その神様の食事のお裾分けをいただくための神聖な道具。そして、おしぼりは、神様と共に食事をする前に手を清めるためのものです。したがって、おしぼりを使うのは自分の手を清めるときだけ、つまり「食事の前だけ」と覚えておいてください。食事の最中に誤って手が汚れたときは使ってもかまいませんが、おしぼりで口を拭くのはNG。口を拭いたいときや何かを少しこぼしてしまったとき、グラスから落ちた水滴を軽く拭きたいときなどは、まず自分のティッシュやハンカチ、懐紙で押さえましょう。

会席は宴会料理のこと。お酒を楽しみながら①先付け→②吸い物→③お造り→④煮物→⑤焼き物→⑥揚げ物→⑦蒸し物→⑧酢の物→⑨お食事→⑩水菓子(旬の果物)の順に出されます。

「食い切り料理」とも呼ばれる会席は、一品ずつ運ばれてくるスタイルです。いつまでも食べ終えずに、膳の上に料理が溜まってしまうのはマナー違反です。例外的に先付けは、お酒と一緒に楽しむために残しておいてもかまいませんが、それ以外は、一品運ばれてくるごとに速やかにおいしくいただきます。先付けを含めて、お膳の上にあるのは「最大2品」と心得て置きましょう。

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