遂にミシュランが始めた「アプリ」普及への課題 TableCheckと連携、予約の利便性を向上させる

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周辺サーチや絞り込み検索といった基本的な機能に始まり、お気に入りを登録したり、マイリストを作成したりできる。マイリストについてはほかのユーザーと共有することも可能なので、使い方の幅も広がるだろう。たとえば、どのレストランに訪れたいかを“食べ友”に相談したり、次に訪れたいレストランをパートナーに選択したりしてもらえる。

ミシュランのアプリの予約イメージ(写真:日本ミシュランタイヤ提供)

アプリの機能で、大きな目玉となるのが予約だ。なぜならば、ミシュランガイドがデジタル化を推し進めている中で、ユーザーから最も期待されていた機能が、“ミシュランガイド掲載店の予約”だったからだ。

せっかくミシュランガイドでよさそうな飲食店を知り、行ってみたいと思ったとしても、これまでは対応しているレストランが少なく、ほんの一部しか予約できなかった。アプリ上で紹介から予約まで一気通貫で行えるようになれば、ユーザーエクスペリエンスも向上するだろう。

この予約機能は、飲食店大手予約サービスであるTableCheck(テーブルチェック)との提携によるものだ。2023年4月27日から、アプリ上の掲載店のページにTableCheckの予約ページへのリンクも付くようになった。

一方で、予約ページへのリンクは、掲載店がTableCheckを導入しているという条件がある。足元ではミシュランガイドの星付きレストランのうち4割がTableCheckを導入しており、2023年4月末現在でアプリ上では150ものレストランが予約可能なので、カバー範囲は小さくないだろう。また、TableCheckが予約における送客手数料を負担しており、ユーザーも飲食店も手数料を支払う必要はない。

TableCheckと提携した理由

世界各国で展開するミシュランアプリだが、なぜ飲食店の予約という重要な機能でTableCheckと提携したのだろうか。

TableCheckはもともとファインダイニング=高級レストランに強い。ミシュランガイドに掲載されるレストラン、とりわけ星が付くレストランはファインダイニングが多いだけに、利用する層が重なる。TableCheckは国外6カ国に拠点があってグローバルに展開していること、18言語に対応していてインバウンドに実績があることもミシュラン側から評価されたはずだ。

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