【UV対策】専門家が重視「日焼け止め」効く使い方 昨今話題「飲む日焼け止め」期待できるのか?

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近年、話題となっている「飲む日焼け止め」。いろいろなメーカーから商品が発売されているが、その日焼け止め効果は実際のところ、どうなのだろうか。

「海外の文献の研究結果をSPFの計算式に当てはめて換算してみると、“SPF1.5~2程度の追加効果しかない”とされています。これだけで日焼けが防げるわけではなく、補助的なものとして考えたほうがいいと思います」(山本医師)

飲む日焼け止めで期待できるのは、日焼け後のダメージケアだという。

「配合成分にはシスチンやビタミンC、βカロテンなど抗酸化作用の強いものが入っていることが多いため、日焼け後のダメージの軽減や回復には有用だと思います」(山本医師)

うっかり日焼け、どうすればいい?

最後に、うっかり日焼けをしてしまった場合のケアを聞いた。

日焼け後はやけどと同じで、肌のバリア機能が壊れている状態だ。「日焼け後の肌にはアロエがよい」などの話はよく聞くが、山本医師によると、保湿力の高い乳液やクリームなどでしっかり保湿をすることが大切だという。「日焼け後のシミ予防として、ビタミンCの摂取、ビタミンC入りのローションや美容液の使用も効果的です」という。

ただし、ビタミンCそのものは肌に浸透しにくいという特徴がある。そのため、肌に吸収されてからビタミンCに変化するビタミンC誘導体配合のローションや美容液なども登場している。より肌に浸透しやすいそうしたアイテムの活用もよいだろう。

日焼け後の赤みなどの症状が残る場合は「日光皮膚炎」といい、軽度、中程度、重度の3つのレベルに分かれる。

肌が赤みを帯びてほてり、ヒリヒリするレベルは軽度だ。早めに濡れタオルや、氷水入りのビニール袋をタオルに包んだものを日焼けした箇所にあててしっかり冷やす。タオルがなければ、冷水で冷やすだけでもかまわないという。

日焼けした部分を冷やしても、赤みやヒリヒリとした痛みがしばらく残るようなら、中程度だという。

「できれば皮膚科を受診したほうがいいですね。ステロイド軟膏を使えば改善します。日焼けした範囲が広く、水ぶくれや強い痛みに加えて、頭痛や吐き気、発熱、倦怠感などの全身症状を伴う場合は重度ですので、そのまま放置してしまうと、まれにショック状態(重度の低血圧、失神、ひどい脱力症状など)に陥るケースもあります。 必ず速やかに病院を受診してください。受診までの間は日焼け部位を濡れタオルなどで冷やしましょう」(山本医師)

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紫外線は1年を通して肌にさまざまなダメージを与えている。UVA、UVBともに春先から増え始め、4~10月にとくに強まるが、真冬でもUVAは夏の半分程度にしか減らない。1年中、紫外線対策は必要なのだという。

「日常的には、朝の洗顔後、化粧水などと同時に日焼け止めも塗るのを習慣にしましょう」(山本医師)

(取材・文/石川美香子)

近畿大学病院皮膚科非常勤講師 美容皮膚科レーザーチームリーダー
山本晴代医師
2004年近畿大学医学部卒業。同大学医学部附属病院皮膚科助教、PL病院皮膚科医長、近畿大学病院皮膚科医学部講師を経て、現在、近畿大学病院皮膚科非常勤講師として美容皮膚科レーザーチーム主任・リーダーを務める。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本皮膚科学会認定 美容皮膚科・レーザー指導専門医 、日本レーザー医学会レーザー指導医・専門医、日本抗加齢医学会抗加齢専門医。シミ、シワ、ニキビで悩む方向けにメディアを通して、正しい知識やスキンケア法などを伝える活動も行っている。
東洋経済オンライン医療取材チーム 記者・ライター

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