ズボラ人間だった私が得た「豊かな暮らし」のコツ ふきん1枚でスッキリ、暮らし縮小化のススメ

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「家事をやりきって1日を終える」「ゴミのストレスをなくす」……不安の時代を生き抜く最大の武器は「家事力」だった(写真:筆者撮影)
不安の時代を生き抜く最大の武器は「お金」じゃなくて「家事」だった!? インフレ、疫病、災害、老後不安……不安の種が山積みな時代に備えようと誰もが必死にお金を貯めようと頑張っている。でも50歳で会社を辞め、都内で夫なし、子なし、冷蔵庫なし、ガス契約なしで暮らす稲垣えみ子氏は、必要なのはお金ではなく「家事力」と言い切る。
1人一家事。それで全員が救われる? 稲垣氏がたどり着いた「老後不安がいっさいなくなる」人生100年時代の出口戦略を、自著『家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択』より紹介する。

「家事をやりきる」ということが長い間、まったくわからなかった。というかずっと、そんなことはできるはずないとあきらめきっていた。

例えば台所。

台所って何はともあれ料理をするところ。それがまず大変なわけで、ようやく完成してニコニコ食べてホッと一息となるはずが、たちまちその汚れた皿は誰が洗うんだ問題が発生。これはつらい。とくに、1杯やった後だったりしたら本当に悲しい。でもいつかはやらなきゃならぬゆえエイと腰を上げ、皿や重たい鍋やまな板などの調理道具も頑張って洗い、この段階でもう「真っ白な灰」。拭くことも棚に戻すこともほぼできないことが常態化していた。

常識を覆すスゴイ人物が現れた

ところが、そんな私の「常識」を根底から覆すスゴイ人物が現れたのである。

それは、乳飲み子を抱えまったく言葉の通じないパリに住むという非常事態に見舞われた姉宅で出会った、韓国人のお手伝いさん。夏休みに行ったときに目撃したその仕事ぶりが本当にスーパーで、2時間ほどの間に何種類ものおかずやおかずの素を怒濤のごとく作りまくり、それだけでも十分すごいんだが、さらにビックリしたのは彼女の仕事の最後が必ず「台所をピカピカにする」だったこと。皿やら鍋やらを片付けた後、そこらじゅうに洗剤をふりかけて、作業台からシンクから床から隅々までゴシゴシと磨き上げる。そこでようやく「はい終了!」となるのであった。

まさに目からウロコ。え、そんな世界があったのと。確かに嵐のごとく働きまくった彼女が帰っていった後の台所は本当に輝いていて、来る前よりずっと美しくなっていた。

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