「今日はなに作ろう」の無限地獄から抜け出せた私 献立ストレスから解放される、3パターン調理法

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「冷蔵庫にあるものを使ってパパッと」ができる! 「調理法別に3種類作る」という決まり(写真:つむぎ/PIXTA)
不安の時代を生き抜く最大の武器は「お金」じゃなくて「家事」だった!? インフレ、疫病、災害、老後不安……不安の種が山積みな時代に備えようと誰もが必死にお金を貯めようと頑張っている。でも50歳で会社を辞め、都内で夫なし、子なし、冷蔵庫なし、ガス契約なしで暮らす稲垣えみ子氏は、必要なのはお金ではなく「家事力」と言い切る。
1人一家事。それで全員が救われる? 稲垣氏がたどり着いた「老後不安がいっさいなくなる」人生100年時代の出口戦略を、自著『家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択』より紹介する。

一汁一菜生活を送るようになって初めて、私は自分がいかに、起きている間はもう本当に絶えず、四六時中「今日のご飯何にしよう」と考えていたかということに気づいた。

ご飯のことを考えなくてすむように

だって、それをやめたらいきなり頭がスッキリ。何を考えても自由というスキマがたくさんできた。これまではそうじゃなかった。頭の中には絶えず何かが詰まっていた。で、その「何か」の正体とは、ほぼ「ご飯にまつわるエトセトラ」だったのだ。朝食べたら、昼は何にしよう? 昼食べたら、夜は何にしよう? 夜食べたら、明日は……?と、もう本当にそのことばかり考えていたんである。

だから一汁一菜生活になって何が驚いたって、「時間が増えた!」ということだ。調理時間よりも何よりも、今日の献立を考えなくていいことが、これほど自分の自由時間を増やしてくれるとはまったく想定外。その有り余る時間を使ってピアノやら書道やら、かねてやりたかったことに次々と挑戦しているのは前に書いたとおりである。

なので私としては声を特大にして、すべての人にこの一汁一菜生活をオススメしたい気持ち満々なのだが、そうは言っても、現実にはそうもいかないことは私にもわかる。

1人暮らしならともかく、家族がいると毎日一汁一菜では「食べる人」からクレームがつく確率は低いとは言えないだろう。もちろん「作る人」と「食べる人」が固定化していることが絶対おかしいし、「文句を言うなら自分で作りなはれ!」と声を大にして言いたいところだが、その言葉が素直に受け入れられるくらいならそもそもそんな苦情は出ないだろうし、最初から理想を厳密に追求しても物事は前に進まない。

それに、たとえ1人暮らしでも、いきなり一汁一菜となると今の食卓との落差が大きすぎて「そこまではちょっと……」という人も少なからずおられよう。

次ページ30分で「それっぽい」食卓が完成
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