ということで、ここでは一汁一菜とまではいかずとも、レシピ本など見ずにパパッと献立を立て、30分もあれば余裕で「それっぽい」食卓が完成する方法をお伝えしたい。
ちなみに私がこの方法を編み出したのは、老いた母が思うようにご飯が作れなくなり、週に一度実家に通って夕食作りをするようになったことがきっかけだった。当時の私はレシピ本を見ないと料理ができず、ガチガチに献立を決めて材料を買いそろえてから実家を訪ねていたのだが、そのうち、実家の冷蔵庫にはすでに余った食材が大量に詰まっていて、その多くが腐りかけていることに気づいてハッとした。
ここに私が買っていった材料の残りがさらに冷蔵庫を埋め尽くしたら、老いた両親の生活はさらに混乱するだけではないか!
そうだよ私がすべきことは、放っておけば捨てることになるであろう冷蔵庫の食材をうまく消費していくことなんじゃないか?
あるものを使ってその場で献立を考える
ということで、私は生まれて初めて「あるものを使ってその場で献立を考える」ことに挑戦することになった。しかも滞在時間は限られていたので、できるだけ短時間に調理できることが望ましかった。
で、試行錯誤の末に私がたどり着いた方法が、何を作るかは別として、まずは「調理法別に3種類作る」と決めてしまうことである。
その3種類とは……
①火を通さないおかず(サラダ、漬物など)
②さっと火を通すおかず(炒め物、焼き物など)
③じっくり火を通すおかず(煮物、汁物など)
やってみればわかるが、こう整理するだけで献立を考えるのが格段に楽になるんですよ。
例えば、秋口ならばスーパーに行くとサンマがずらずら安く並んでいたりする。となると、そうだ今日はサンマにしよう!となるわけで、この段階でひとまず、
②(さっと火を通すおかず)サンマの塩焼き
が決定である。
ここまでくればもう献立はできたも同然で、あとは冷蔵庫の残り野菜(絶対何かありますよね)を使って、
①(火を通さないおかず)レタスときゅうりとトマトのサラダ
が決定! あとは、そこらにジャガイモとニンジンでも転がっていれば、
③(じっくり火を通すおかず)ジャガイモとニンジンの醬油煮(肉を入れれば肉じゃが、サバ缶入れればサバじゃがですね)
ってことで、たちまち立派な献立が出来上がるのがわかっていただけたでしょうか?
やってみればわかるが、このように火の通し方にバリエーションがあると、献立としてのバランスがよくなるので、どんな手抜き料理でも、あるいは和洋中どんな料理を組み合わせてもバッチリ決まった感じになる。
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