「今日はなに作ろう」の無限地獄から抜け出せた私 献立ストレスから解放される、3パターン調理法

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なのでこの3パターンさえ守れば、あとはやりたい放題。

例えば①は、「スーパーで買ってきた漬物を切って皿に並べるだけ」でもいいし、もちろん「冷蔵庫の余った野菜やらチクワやらを適当に切ってマヨネーズを添える」のでもいい。野菜を塩でもんで「即席漬け」にしても。

②は、「冷蔵庫に残っている半端な肉と野菜を炒める」とか、「買ってきたコロッケを皿に盛る」とか、「冷凍餃子を焼く」とか。

③は「煮物」っていうと難しそうに思う人もいるかもしれないが、要するに余った野菜やら肉やらを鍋に放り込んで水分を足してグツグツ煮れば煮物です。代表的なものはご存じ「味噌汁」。これを煮詰めて水分をなくせば、いわゆる煮物になる。味付けは醬油や味噌やポン酢など、要するに適当に塩味をつければオッケー。味見をして、薄ければ塩分を足し、濃ければ水を足す。

またこの方法だと、それぞれ調理方法が違うので料理の段取りがとってもラクになるのも大変いいところである。

具体的な手順はこうだ。

まずは③の煮物からスタート。材料を切って鍋に放り込んで水分と調味料を入れてふたをして火にかけコトコト煮ておく。このまま放っておけばとりあえず一品完成と思うと気持ちもラクである。

で、あとは②に取りかかり、そのスキマ時間を使って野菜をカットするなどして①を作る。

例えばさっき例に挙げた献立を例にとれば、サンマに塩をしてグリルで焼いている間に、冷蔵庫からレタスなど取り出してちぎっては大きな皿に放り込んでいけばよろしい。で、それが終わったらグリルのサンマをひっくり返し、さっきのレタスなどにオイルと好きな調味料(醬油、ポン酢など)をテキトーに回しかけザザっと混ぜればサラダの完成です。で、あとは焼きあがったサンマと、最初に火にかけておいた煮物を皿に載っければ、さあできた!

パパッと献立を作ることができそう

どうですか。これなら「今日のご飯何にしよう」と頭を悩ますことなく、余った食材をうまく使ってパパッと献立を作ることができそうな気がしませんかね?

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実際、私はこの方法を編み出してから、生まれて初めてそのようなことができる人になった。「冷蔵庫にあるものを使ってパパッと」っていうのは「料理上手」の代名詞のようにいわれ、私も長年そういう人になりたしと強く憧れてきたんだが、ただ冷蔵庫の中身を眺めるだけじゃ、一品(サラダなど)はなんとか思いついても、献立などさっぱり思いつくことができなかった。

でもこの①②③の法則を使うことで頭の中がスッキリ整理されて、「献立を思いつく」ことができるようになった。そうなってみると、まったく手間をかけない料理でも、バランスさえ取れてれば満足して食べてもらえるなってこともわかってきて、料理にかかるプレッシャーがぐんと減った。その延長線上に、今の一汁一菜生活がある。

なのでこの方法、「今日のご飯何にしよう」というエンドレスな料理地獄から抜け出す一歩として、多くの人にお勧めする次第であります。

稲垣 えみ子 フリーランサー

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いながき えみこ / Emiko Inagaki

1965年生まれ。一橋大を卒業後、朝日新聞社に入社し、大阪社会部、週刊朝日編集部などを経て論説委員、編集委員をつとめる。東日本大震災を機に始めた超節電生活などを綴ったアフロヘアーの写真入りコラムが注目を集め、「報道ステーション」「情熱大陸」などのテレビ番組に出演するが、2016年に50歳で退社。以後は築50年のワンルームマンションで、夫なし・冷蔵庫なし・定職なしの「楽しく閉じていく人生」を追求中。著書に『魂の退社』『人生はどこでもドア』(以上、東洋経済新報社)「もうレシピ本はいらない」(マガジンハウス)など。

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