え、どういうこと?
と思われるでしょうが、理由は単純で、すべての生ゴミを肥料にしているのである。
きっかけは、ベランダで枯らせまくった花たち(←ダメ人間)の置き土産として大量の「カッチカチの土」が発生し、それをどこにどう捨てていいのやらという出口なき状況に悩んでいたとき、「カッチカチの土を生ゴミでフッカフカにして野菜を育てる」という夢のような雑誌の記事を読んだことである。
早速、記事のとおりにやってみた。
必要な道具は「土囊袋」と「レンガ2個」(ホームセンターや金物屋で入手可能)と米ぬか(米屋でもスーパーでも手に入る)のみ。
まずは土囊袋に「カッチカチの土」と米ぬかをブレンドしたものを入れておき、そこへ2日に一度、台所で発生した生ゴミと米ぬか1つかみを投入して混ぜる。で、袋の口をくるくるとねじって閉じてひっくり返し、20センチほど間隔をあけて並べたレンガの上にポンと置いておくのです。
それをしばらく繰り返して袋がいっぱいになってきたら、大きい植木鉢に、例のカッチカチの土で土囊袋の中身を上下サンドしてぎゅっと詰め、適宜水分を与えながら2カ月ほど放置すると……あらふしぎ! カッチカチの土がフッカフカで真っ黒な栄養たっぷりの土に!
……と書いてあるとおりにやったら、マジでそのとおりになりました。いやーもうびっくりです。神はいると。
そのフカフカの土で、春夏はバジルやシソ、唐辛子、秋冬は大根やニンジンや小松菜やサラダ野菜などを育てて食べる。そこで発生した生ゴミは再び肥料となり、野菜が育ち、それを食べ……って、どう考えても永久循環ですよね?
っていうか輪廻転生? しかもひいき目に見てわが野菜はウマい。出来の悪い子ほどかわいいのだ。多少固くともエグくとも、ウマいと感じられるまで、細かく切ったり鬼のように炒めたりしてフムフムと食べるんだから絶対ウマい。それは買ってきたものを食べるのとはまったく違う次元の喜びだ。このような行為そのものが「ごちそう」なのだ。
ゴミが清潔感あふれたサワヤカな存在に
さらに奇跡は続く。
これを始めてからというもの、わが家のゴミ箱は、実に清潔感あふれたサワヤカな存在となった。なぜって中身のすべてがサラサラと乾いている。ゴミという感じがしない。生ゴミが出ないということはそういうことなのである。かくしてわが人生から、生ゴミが腐敗するイヤな臭いも、「早くゴミ出ししなきゃ」というストレスも、つまりはゴミそのものが消えた感じである。やってみればわかるが、それだけで人生は電球10個分くらい確実に明るくなる。
で、しつこいようだが奇跡はまだまだ続く。
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