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キヤノンが10年越しで開発、「究極」の半導体露光 実用化に向けて準備が進む「ナノインプリント」

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半導体の微細化で重要となるのが、チップ上に回路を描く技術だ。その新たな技術である「ナノインプリント」をキヤノンが粘り強く開発している。

キヤノンのロゴ
事務機やカメラで培った光学技術や精密技術を半導体露光装置に生かしてきたのがキヤノンだ(撮影:尾形文繁)

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半導体にはナノ(10億分の1)メートル単位の電子回路が刻まれている。回路の線幅が微細なほど、半導体のチップ面積当たりの性能が上がる。その回路を描く「究極の技術」とされるのが、キヤノンが開発の最先端をいく「ナノインプリントリソグラフィ」だ。

回路を描く主流の方法は、大きなガラス板の原版に描いた回路を、高性能なレンズを介してシリコンウェハーと呼ばれるシリコンの板に縮小・投影、波長の短い光で焼き付けるやり方だ。このようにして回路を刻む装置が「半導体露光装置」と言われる。

2000年代まで半導体露光装置は、キヤノンとニコンの日本の2社が合計で約8割の世界シェアを握っていた。しかし現在は、オランダのASMLが一強の状態。EUV(極端紫外線)を使って超微細な回路が描ける露光装置を世界で唯一提供しており、1社で市場シェア8割を握る。

EUV露光装置の開発には多額の資金を要するが、ASMLは政府からの補助金に加え顧客企業から出資を募り、装置の実用化に成功。出資でともにリスクを負ってくれた企業へ装置を提供することにより、市場で絶対的な地位を確立した。

カメラや事務機の技術を活用

日本の2社もEUV露光装置の開発を行っていたがASMLに完敗した。このうちキヤノンは、カメラや事務機で培った加工技術や計測技術を生かし、まったく新しい露光装置の開発に力を入れていった。それがナノインプリント装置だ。

ナノインプリントは、回路が彫り込まれた原版をハンコのようにスタンプすることで回路を描く技術だ。キヤノンは2014年、アメリカのモレキュラーインプリント社を買収することでこの技術を手に入れた。

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